「はぁはぁ」木が生い茂る道を走る。
謎の男から逃げようとするが、回り込まれてしまった。
「逃げても無駄なのに、よく君は逃げるよね。」
”何度も何度も”僕から―と言い近づく男。
後ろから、私を追いかけてきた”糯弥”が男をにらむ。
「まぁまぁ、そんな怖い顔するなって。”守護者”よ。」
光りが、男の瞳に反射し、私たちが映った。
瞳に映った私は、白い服を着て、銀色の王冠を身に着けた黒髪の姿。
糯弥は、茶色毛、とがった耳、犬の姿に変わっていた。
私は、こんな格好していない!と思い、自分の姿を見下ろしてみると、瞳に映った、
服装に変わっていた。
もしかして、と思い横を見ると、糯弥の姿は、犬に変わっていた。
ドクンッ、ドクンッー。
心臓がバクバクする音に脳内は支配され、皐月になる前の記憶が鮮明に蘇ってきた。
-----------------------
私は、豊穣の神の”妻”だった。
でも、豊穣の神の重すぎる愛に狂気を感じ、逃げだした。
豊穣の神は、姫を娶ることで完成する。
姫が逃げ出しても、神は豊穣の神のままのはずだった。
でも、姫が逃げ出したことに怒った、神は豊穣の神の姿を無理やり解き、
豊穣の神の姿でなくとも、人間界に祝福をもたらすことが出来るようになった。
それから、神は姫の生まれ変わりを探し、皐月を見つけ、
祖父に皐月と名付けるよう言い、
まだ、このころの祖父は自分の孫が姫になる運命とも思いもせず、皐月と名付けた。
やがて、倉庫の整理をしていた祖父は、
#創造の主の日記#を見つけ自分たちが、皐月を護る、使命を持っていたことを知る。
やがて、皐月が古代神の手記を見つけたことで、祖母はそろそろ、神が動き出す時期だろうと思い、
自分の身を守る、神守護歌を教える。
-----------------------
だが、その神守護歌はすでに神の手によって曲げられていた。
「全て、思い出した。
もうあなたの妻にはならない。」
「「空に円を描いてごらん。
たちまち元気が湧いてくる。
豊穣の神のご加護を受けて三度円を空へ描いて歌う鼻歌
手にはハートの中に桜を描いて、三度口元に運んだら、音が静かに降ってくる。」」
この歌を歌うことで、結界が張られ、神は私に近付くことが出来ないはず。
「ざんねん、君が逃げ出さなければ、誰も傷つかなかったのに。」
と言い、糯弥を蹴り上げる。神は、お腹を真っ赤にして横たわる、糯弥を、一瞥すると、私の方に歩いてきた。
「こ、こないで!」
守護の歌だったはずの、神守護歌。その、神守護歌は神の愛情を引き付ける愛の歌へと意味が変わっていた。
「ほら、皐月。一緒にお家に帰ろう。」
もう、逃げられない。
あきらめ、体の力が抜けた私は神に手を取られ、そのまま明るい空へと帰って行った。
謎の男から逃げようとするが、回り込まれてしまった。
「逃げても無駄なのに、よく君は逃げるよね。」
”何度も何度も”僕から―と言い近づく男。
後ろから、私を追いかけてきた”糯弥”が男をにらむ。
「まぁまぁ、そんな怖い顔するなって。”守護者”よ。」
光りが、男の瞳に反射し、私たちが映った。
瞳に映った私は、白い服を着て、銀色の王冠を身に着けた黒髪の姿。
糯弥は、茶色毛、とがった耳、犬の姿に変わっていた。
私は、こんな格好していない!と思い、自分の姿を見下ろしてみると、瞳に映った、
服装に変わっていた。
もしかして、と思い横を見ると、糯弥の姿は、犬に変わっていた。
ドクンッ、ドクンッー。
心臓がバクバクする音に脳内は支配され、皐月になる前の記憶が鮮明に蘇ってきた。
-----------------------
私は、豊穣の神の”妻”だった。
でも、豊穣の神の重すぎる愛に狂気を感じ、逃げだした。
豊穣の神は、姫を娶ることで完成する。
姫が逃げ出しても、神は豊穣の神のままのはずだった。
でも、姫が逃げ出したことに怒った、神は豊穣の神の姿を無理やり解き、
豊穣の神の姿でなくとも、人間界に祝福をもたらすことが出来るようになった。
それから、神は姫の生まれ変わりを探し、皐月を見つけ、
祖父に皐月と名付けるよう言い、
まだ、このころの祖父は自分の孫が姫になる運命とも思いもせず、皐月と名付けた。
やがて、倉庫の整理をしていた祖父は、
#創造の主の日記#を見つけ自分たちが、皐月を護る、使命を持っていたことを知る。
やがて、皐月が古代神の手記を見つけたことで、祖母はそろそろ、神が動き出す時期だろうと思い、
自分の身を守る、神守護歌を教える。
-----------------------
だが、その神守護歌はすでに神の手によって曲げられていた。
「全て、思い出した。
もうあなたの妻にはならない。」
「「空に円を描いてごらん。
たちまち元気が湧いてくる。
豊穣の神のご加護を受けて三度円を空へ描いて歌う鼻歌
手にはハートの中に桜を描いて、三度口元に運んだら、音が静かに降ってくる。」」
この歌を歌うことで、結界が張られ、神は私に近付くことが出来ないはず。
「ざんねん、君が逃げ出さなければ、誰も傷つかなかったのに。」
と言い、糯弥を蹴り上げる。神は、お腹を真っ赤にして横たわる、糯弥を、一瞥すると、私の方に歩いてきた。
「こ、こないで!」
守護の歌だったはずの、神守護歌。その、神守護歌は神の愛情を引き付ける愛の歌へと意味が変わっていた。
「ほら、皐月。一緒にお家に帰ろう。」
もう、逃げられない。
あきらめ、体の力が抜けた私は神に手を取られ、そのまま明るい空へと帰って行った。