別の形で会い直した宿敵が結婚を迫って来たんだが@完結

「ラミ……ッタ?」

 ラミッタの言葉が一瞬理解できず、マルクエンはその名を呟いた。

 マルクエンを指さしながら赤面し、プルプル震えるラミッタ。

「ど、どうなのよ? 仕方がないから夫となる権利をあげる……って!!」

 マルクエンはラミッタの差し出す手を両手で取った。

「あぁ! 喜んで」

 こうしている間にも、マルクエンとラミッタの体は透けていく。

 マルクエンは大きな声で叫んでいた。

「必ず、必ず一緒にいよう! 結婚しようラミッタ!! これからどんな世界へ行ったとしても、必ずお前を見つける!!!」

 ラミッタは目を見開いてあたふたする。

「ちょっ、わかった!! わかったから!!!」

 二人の体は更に透明度が増す。

 マルクエンはラミッタを抱きしめた。

「ラミッタ、好きだ!! ラミッタ!!!」

「……、えぇ、私も好きよ」

 しおらしくラミッタは目を伏せて、抱きしめられている。

 そろそろ互いの体も光の粒へ変わっていき、背景が見えるぐらいになってきた。

「宿敵、顔見せて」

「あぁ」

 ラミッタはマルクエンの顔をじっと見て、そして、唇を重ね合わせた。

 マルクエンにとって、一瞬のような、長い時のような出来事だった。

 ラミッタは笑顔で言う。

「ずっと、ずっと私の事。忘れないでね?」

「忘れるもんか!!!」

 透けていく体。もう一度二人は抱擁をし、ずっとそうしていた。















「えーっと……」

 異変だ。マルクエンは気まずそうにラミッタを離し、頭を掻く。

 あれ程までに透けていた体は、段々と色づきはじめ、すっかり元通りになっていく。

「あー、ラミッタ。そのー……」

 ラミッタは地面にしゃがみ込んで両手で顔を覆っている。

 マルクエンは赤面しながら言った。

「なんていうか、そのー。き、消えなかったな!!!」

 ラミッタは両手で顔を隠しながら返事する。

「……うっさい」

 マルクエンは気まずい空気に耐えられず。話を続ける。

「てっきりそのー。私は消えてしまうものだと思ってな……」

 ラミッタが手を離し、顔をこちらに向ける。見たこと無いぐらい真っ赤だ。

「うっさい!! わ、私だって最後だと思って!! 消えると思って!!! へ、変な事言ったし!!」

「わ、私も、そのー。消えて元の世界へ行くのかと思って……」

 沈黙が続く。




 マルクエンは口を開いた。

「だが、私は、元の世界へ戻らなくて本当に良かったと思っている」

 ラミッタはやっと立ち上がり、話始める。

「いいの?」

 マルクエンは笑顔で答えた。

「あぁ、向こうの世界にも父母や友人といった大切な人は居たが、こっちの世界にも大切な人はたくさんできた。それに……」

 じっとマルクエンはラミッタを見つめ、彼女は思わず目を逸らす。

「今は、ラミッタさえ居てくれれば、私はどんな世界でもいい」

「はっず!! なんでそんな恥ずかしい事ポンポン言えるの!?」

 マルクエンは終始穏やかに笑っていた。

「もう一度言おう!」

 マルクエンは跪いてラミッタに手を伸ばす。

「ラミッタ。私と、結婚してほしい」

「……、し、仕方ないわね!!」

 ラミッタはその手を取った。