別の形で会い直した宿敵が結婚を迫って来たんだが@完結

 ロレイユは血を流す代わりに、傷口から光があふれ出る。

 魔人が死ぬ時と同じだ、体が徐々に透明になっていく。​

 崩れ落ちそうになるロレイユ目掛けてヴェガエルが走った。

 マルクエンとラミッタは斬りかかりに来るかと構えたが、ヴェガエルは剣を投げ捨てて二人は困惑する。

「……。俺達の負けだな」

 そう言ってロレイユを抱きかかえるヴェガエル。

 ロレイユは目を半開きにしたまま話す。

「負けたのか、私は……」

 ヴェガエルは優しく微笑んで言う。

「あぁ」

 ロレイユは力なく目を閉じた。

「そうか……」

 ロレイユの体は段々と透き通り、ヴェガエルの体も魔力が切れ始め、ボロボロに朽ちていく。

「安心しろ、俺が一緒に死んでやる。まぁ、もう死んでいるんだがな」

「……くだらん事を」

 魔王ロレイユは優しく微笑んで消え去り、古の勇者ヴェガエルの体も土くれになり。戦いが終わる。

 見届けたマルクエンは言った。

「終わった……。のか?」

 ラミッタも頷いて返す。

「えぇ、多分ね」

 その次の瞬間、二人の体からも光の玉があふれ出し、体が透け始めていた。

「!! ラミッタ!!」

 マルクエンはラミッタの体の変化を見て声を出し、自身の体の変化にも気付いた。

「えぇ、どうやら私達もお別れみたいね。魔王倒したし帰れって事かしら」

「そんな……」

 マルクエンは呆然としている。

 ラミッタはケラケラ笑いながら言った。

「なによ、宿敵アンタ『イーヌに帰る』ってうるさかったじゃない。やっと帰れるんだから喜びなさいよ」

 マルクエンは目に涙を浮かべながら叫ぶ。

「嫌だ……、嫌だ!! 私は帰りたくない!! 私は、私は!! ラミッタと一緒に居られればそれで良い!!!」

 ラミッタは赤面してあたふたとしていた。

「な、なによ。アンタ私のこと好きすぎでしょ!」

 マルクエンはまっすぐラミッタを見て言う。

「あぁ!! 好きだ!! 大好きだラミッタ!!!!」

「ちょ、は、恥ずい!!」

 ラミッタは見た事も無いぐらい顔が赤くなっていた。

 次にマルクエンは下を向いて落ち込んだように言う。

「お前の命を奪った私がこんな事を言うなんて虫のいい話だと思うが!! それでも!!!」

「そ、それは気にすんなって言ってんでしょ!!!」

「どうしても、気持ちが止められないのだ!! おかしくなりそうだ!!!」

 その言葉を受けて、ラミッタは、こう返す。

「我が宿敵!! あなたに、私の夫となる権利をあげるわ!!」

 ラミッタが赤面しながら男を指差し言う。

 そう、王国騎士『マルクエン・クライス』は、敵対していた魔剣士の女『ラミッタ・ピラ』に決闘ではなく、結婚を。プロポーズを受けた。