別の形で会い直した宿敵が結婚を迫って来たんだが

 マルクエンとヴェガエルは地上で斬り合っていた。

 いや、斬るというより、力任せに剣をぶつけ合っていると言う方が正しいかもしれない。

 凄まじい音が鳴り響き、近付いたり離れたりを繰り返しながら、剣をぶつけ合う。

 ヴェガエルは笑顔で言った。

「ははは、楽しいなぁ!? 勇者さんよ!!」

 楽しいという気持ちは、不謹慎かもしれないが、マルクエンも同じだった。

 強敵相手に自分の持てる力全てをぶつける。これが高揚しないわけがない。

「えぇ、とても」

 マルクエンも笑って返す。

 青いオーラを更に強め、マルクエンは光の刃を飛ばし、同時に突っ込む。

 ヴェガエルは光の刃を避け、迫りくるマルクエンの剣を受け止るが、体勢を崩し、後ろによろめく。

「おぉ、今のは効いたぜ」

 そんな中、ロレイユがヴェガエルの元へ降り立つ。

「苦戦しているようだな」

 ヴェガエルはヘラヘラ笑いながら言う。

「苦戦? まさか」

 ラミッタは二人目掛けて炎を飛ばした。

 軽々とヴェガエルは飛びのき、ロレイユは詠唱無しで防御壁を張り、受け止める。

「私のことを無視して仲良くお喋りだなんて、いい度胸しているじゃない」

 ヴェガエルはロレイユの顔を見た。

「このままバラバラに戦っても(らち)が明かないな。共闘して各個撃破と行こうじゃねーか」

「あぁ、そうだな」

 マルクエンとラミッタも隣に肩を並べて剣を構える。

「ラミッタ、どっちを先に狙う?」

「魔王よ、古の勇者は魔王の魔力で動いているわ。魔王さえ倒せば良いわ」

「あぁ、わかった!」

 マルクエンは無数の光の刃を飛ばし、ラミッタも魔法の光の剣を放ち、二人をかく乱させる。

 一瞬、生まれた隙を逃さず、マルクエンは一気にロレイユまで詰めた。

 ロレイユは魔法の防御壁を貼り続けていたが、振り下ろしたマルクエンの渾身の一撃により砕かれる。

 そのまま剣を上に斬り上げようとするが、割って入ったヴェガエルに邪魔をされた。

 上空からラミッタが極太の雷を落す。

 ヴェガエルに直撃し、感電した。動けなくなる。

 そこへラミッタは剣を下に向けたまま急降下し、ロレイユを狙う。

 ロレイユは上空に巨大な槍を召喚し、ラミッタを返り討ちにしようとした。

 が、目の前ではマルクエンが剣を振り上げ、斬りかかる。

 ラミッタは急旋回し、ロレイユの背中を捉えた。

 マルクエンの刃がロレイユを正面から斬り、ラミッタの剣がロレイユを背中から突き刺す。

「なっ、かっ、馬鹿なっ……」

 ロレイユはそんな言葉を残し、だらりと体の力が抜けた。