別の形で会い直した宿敵が結婚を迫って来たんだが

 ラミッタからの返事を待つ。その時間がマルクエンにとっては、とても長いものに感じられた。

 彼女はフッと笑ってマルクエンを見る。

「敵と逃げるとか、そんな事。言ったのがバレただけでも、処刑されるわよ?」

「まぁ……。そう……、だが……」

 マルクエンは言葉が上手く出なかった。

 ラミッタはそんな彼に言う。

「でもまぁ、戦うの疲れたし。悪い提案ではないわ」

「!! ラミッタ!!」

「ともかく! 今は魔王との戦いに集中よ!」

 ラミッタの言葉にマルクエンは頷く。

「あぁ!!」

 二人は野営をし、深い眠りについた。






 朝、マルクエンが先に目覚める。

 気持ちよさそうに眠るラミッタの顔を見つめた。

 そして、覚悟する。ラミッタを、絶対に守ろうと。

 マルクエンは軽めの食事を用意すると、ラミッタの目覚めを待っていた。

 ラミッタがもぞもぞと動き始め、うーんと目を覚ます。

「ふぁーっ……って、寝すぎちゃったみたいね」

「おはよう、ラミッタ」

「えぇ、おはよう宿敵」

 こんな風に挨拶を交わすのも今日で最後かもしれないとマルクエンは思う。

 そんな最後とは思えない程に穏やかで、いつも通りの朝だった。




 二人は聖域チターを目指し、向かう。




 聖域では住民たちが街道を避け、森の中を通り、避難を続けていた。

 そんな中、一人が上空を見て指さす。

「あ、あれ!!!」

 上空を飛ぶ人影、千里眼持ちの軍人が目を凝らすと姿を捉えた。

「ま、魔王か!?」

 その姿は勇者ではない。禍々しいオーラと見た目、魔王だ。

「皆、静かに!! 伏せて!!!」

 魔王は聖域へ飛んでいく。




 魔王ロレイユは聖域の上空までやってきた。

「ここに、奴が……」

 半信半疑であったが、ロレイユは地上に降り立ち、立派な石碑を粉々にした。

 そして、その場所に勇者の剣を突き刺し、魔力を送る。

 しばらくし、染み渡った魔力に反応する者が居た。

 ロレイユはニヤリと笑って言う。

「ふっ、出て来い勇者」

 地響きがし、地面が割れる。

 飛び出てきたのは。

「よう、何百年ぶりかな?」

 勇者ヴェガエルだった。

 ロレイユは高笑いしながら勇者に言う。

「随分と長い間眠っていたな」

 ヴェガエルも笑いながら返す。

「あぁ、待たせたな」

 生前と同じ格好でヴェガエルはロレイユの横に立つ。

「お前の魔力で復活して、今や俺は手下ってワケか」

「話が早くて助かる」

 再会を喜ぶでもなく、ヴェガエルは剣を構えた。

「そんで、戦えってわけね」

 魔王ロレイユ、勇者ヴェガエルの前には、現代の勇者。マルクエンとラミッタが現れた。