別の形で会い直した宿敵が結婚を迫って来たんだが

 ヴェガエルはニヤリと笑う。

「それじゃ、この城ともおさらばだな」

 ロレイユも笑って返した。

「あぁ、そうだな」

 ロレイユは光線で城をメチャクチャに破壊した。

 城は完全に崩れ始める。

 そして、手招いてヴェガエルを誘導し始めた。

「こっちだ」

 崩れてくる瓦礫の中をヴェガエルは一緒に進む。

 一本の地下道があり、分厚い蓋をロレイユはいとも簡単に開けた。

 ヴェガエルはそれを見て感心する。

「こんな魔王城にも脱出口はあるんだな……」

 二人は狭い通路を潜り抜け、外へと出た。

 満月が二人を照らし、ロレイユの紫がかった銀髪は美しく煌めく。

「行くぞ」

 見惚れていたヴェガエルは我に返り言う。

「あぁ、だが魔力は抑えて、飛ぶのもダメだ。気付かれちまう」

 ロレイユはその言葉に不服そうだった。

「面倒だな」

「俺達は相打ちで死んだことにするんだ。ちょっと我慢してもらうぜ」

 二人は遠くの地を目指して歩き続けた。

 昼になり、森の中でヴェガエルは狩りを始める。

 ロレイユはそんな彼を見て、またも面倒くさそうだ。

「人間はいちいち飯を食わないといけないのか」

 鹿を一匹仕留めたヴェガエルは言い返す。

「魔王や魔人ってのは飯食わないのか?」

「食べるには食べるが、そんなに頻繁には食わぬ」

 ヴェガエルは鹿を解体しながらロレイユに言った。

「なら、この肉は要らないって事だな?」

 ロレイユはムッとして返す。

「食べないとは言っていないだろう!」

 ヴェガエルは笑ってたき火と肉の準備を始めた。



「さぁ、おあがりよ!」

 鹿の肉をその辺の枝に刺して焼いただけの料理ができた。

 スパイスはおろか、塩すら振られていない。

「さぁ、それじゃイタダキマス!」

 串を一本手に取ってヴェガエルはロレイユに差し出す。

「美味いぞ、多分」

「多分とはなんだ?」

 串を手に取って、ロレイユは一口食べる。

「まぁ、食えなくはないな」

「そうでしょそうでしょ。それじゃ俺も。ンマーイ!」

 たらふく飯を食べ終えたヴェガエルにロレイユは尋ねる。

「それで、どこへ行くのだ?」

 ヴェガエルは食後で眠そうにしながら答えた。

「んあ? マーピュって所に行くかな」

「あの辺境の地か」

 ロレイユの言葉にヴェガエルは頷く。

「あそこは魔物は強いが、その分邪魔は入らない。そこでバケモノ同士仲良く斬り合おうや」

 その言葉にロレイユはフッと笑う。

「そうだな」