別の形で会い直した宿敵が結婚を迫って来たんだが

「貴様等!!」

 ラミッタに対しメチャクチャに光線を放つロレイユ。

 見切りながらそれらを躱し、ラミッタは魔法で出来た炎の矢を数百発放つ。

 マルクエンも地上から光の刃を飛ばし、牽制を入れていた。

 そんな攻撃の応酬を繰り返していると、突然ロレイユが苦しみ始める。

「がっぐぐ……」

 頭を抱え、攻撃も鈍くなっていた。

 ここぞとばかりにラミッタは距離を詰めたが、その瞬間。先ほど倒れたミネスの方から光を感じて、ラミッタとマルクエンも一瞬気を失う。



 二人が見ていたのは魔王ロレイユの記憶だった。




「よう、お前が魔王ロレイユか」

 そう言い放つ男は、少し長めの茶髪、軽装備に不釣り合いな大剣。

 城の最上階に人間が来た、その事にロレイユは少しだけ驚く。

「貴様は?」

「俺は勇者とか呼ばれている。ヴェガエルってんだ。冥途の土産に知っておきな!」

 ヴェガエルは一直線にロレイユ目掛けて突っ込む。

 豪華な椅子に座ったまま、片手で光線を放ち、始末しようとした。

 だが、男は身軽な動きでそれを躱し、大剣を振り下ろす。

 ロレイユは片手に魔力を集め、それを受け止めた。

「中々、楽しめそうだな」

 ロレイユは光線以外にも魔法を飛ばし続ける。

 ヴェガエルは剣で弾き、飛び回り、ロレイユに攻撃を続けた。

「貴様、面白いな! 気に入ったぞ!」

「へへ、そりゃどうも!」

 数時間に渡り、二人は戦い合う。

 そんな時、ヴェガエルが叫んだ。

「魔王ロレイユ! 提案がある!!!」

 ロレイユは不敵な笑みをし、返す。

「なんだ? 命乞いか?」

 ヴェガエルの言葉は予想外のものだ。

「ちょっと休憩を望む!!」

 ロレイユは最初、言葉の意味が分からなかった。

「貴様、何を……」

 ヴェガエルは言い続ける。

「だから、休憩だ! ちょっと休憩しようぜ!!」

 ロレイユはわなわなと震え出した。

「貴様!! 命のやり取りを何だと思っている!!」

 ヴェガエルが大声で叫ぶ。

「すまん、おしっこがしたい!!!」

 ロレイユはまたも言葉の意味が一瞬分からなかった。

「は?」

 ヴェガエルは固まるロレイユに言う。

「良いんだぜ? ここで漏らしても……」

 ロレイユは深いため息を付いた。

「興がそがれた」

 ヴェガエルは笑顔で返す。

「すまねぇな! 魔王!! それで、その……。トイレはどこだ?」

 またロレイユは固まってしまった。

「は?」

 ヴェガエルはそんなロレイユにまたも同じセリフを吐く。

「良いんだぜ? ここで漏らしても……」

 ロレイユは赤面しながらヴェガエルを指さす。

「馬鹿者!! 外へ行け外!!」

 ヴェガエルはハハハと笑いながら頭を掻き、部屋を後にする。

「それじゃ立ちしょんして来たらまた戦おうや!!!」