別の形で会い直した宿敵が結婚を迫って来たんだが

 残った仲間たちはうろたえるも、次々にロレイユにより殺害されてしまった。

「今の時代の勇者とはこんなものか」

 ロレイユは顔色一つ変えない。

「これならば、大軍が無くても国を滅ぼせそうだな」


 王都に残るマルクエンとラミッタ。暇に城で待機するのかと思いきや、その生活は忙しいものだった。

 見回りと演説の為に外へ出歩く、勇者達はすっかり注目の的だ。

 所々から「勇者様ー!」と手を振りながら大きな声を掛けられる。

 マルクエンは手を振り返し、ラミッタも「これも仕事だ」と自分に言い聞かせ、笑顔を作ってそちらを向いた。

 今日は商店街でマルクエンは演説をした。異世界からの勇者として皆さんを守るといった内容だ。

 民の混乱を防ぐためにも重要な行為である。

 軍で慣れているマルクエンは良かったが、ラミッタは不慣れだ。

 城に一時帰還し、ラミッタはベッドにばたりと倒れる。

「あー疲れた。魔物と戦っている方がマシよ!!!」

 その言葉にはマルクエンも同意だった。

「ははは、そうだな」

 そんな日々を過ごして三日目の夜。

 強大な魔力が王都に接近していることが確認された。

「来ましたか」

 そう一言呟く魔人。ヴィシソワ。

「スパチーさん。あなたは王都を守りなさい」

 訓練を受けていたスパチーは間抜けな声を出す。

「どういう事だ!?」

 見守っていたルサークも同じく質問する。

「ど、どういう事なんだヴィシソワさん!?」

「彼女が、現れたみたいですね」

 デルタがハッとし、尋ねた。

「まさか!!」

 ヴィシソワは答えず、スパチーに一言言い残す。

「シシト様との、約束を果たしなさい」

 ふわりとヴィシソワは宙を飛び、裏口から飛び去る。

「ヴィシソワ!!」

 国の姫であり、ヴィシソワの恋人でもあるミヌエットが叫んだ。

「ミヌエット様、行って参ります」



 東から迫る魔力に、王都は緊急事態を知らせる鐘が鳴り響いた。

 マルクエンとラミッタの部屋も兵士がすっ飛んできてノックされる。

「失礼します!! 勇者様!! 東より強大な魔力を検知しました!!」

 ついに来たかと、剣を握りしめ、マルクエンは部屋を出る。

 ラミッタも同じく、キッとした顔で部屋を出た。


 王都に居る兵士だけでなく、戦える者は冒険者も集まっていた。

 東砦に皆は集合する。

 その先頭、砦の上にマルクエンとラミッタは立っていた。


 ちょうどその頃、ヴィシソワは対面した。

「おやおや、懐かしいお顔と、初めましてですかな? 魔王ロレイユ」