別の形で会い直した宿敵が結婚を迫って来たんだが@完結

 次の日の朝、ロレイユは目覚めた。

 居間まで行くとミネスとアシュが料理を作っている。

 ミネスはアシュに優しく教えていた。

「そう、それはそう焼いて、その間も鍋を注意していて……。アシュはやるねぇ!」

 その様子を不機嫌そうにロレイユは見ている。

「随分と人間との仲が良さそうだなミネス」

 声を掛けられ、振り返り、ミネスは言った。

「おはようございます、ロレイユ様! この者は見込みがありますので、それに私、褒めて伸ばすタイプなんですよぉ」

 はぁっとロレイユはため息をつく。

「まぁいい」

 ミネスは机の前にある椅子を引いてロレイユを招く。

「さぁ、どうぞこちらへ」

 ロレイユが座り、しばらくすると料理が運ばれてきた。

「どうぞ、ロレイユ様」

 その時に、ふとロレイユが言う。

「貴様等は食わんのか?」

 その言葉にミネスは答える。

「後ほど頂きます」

 ロレイユはミネスを見て言った。

「面倒だ、我と席を共にすることを許そう。食べろ」

 ミネスは思わず手を前に出してぶんぶんと振る。

「そ、そんな!! 恐れ多い……」

 そんな様子にロレイユは再び言う。

「私の命令だ。その方が合理的だからな」

 ミネスは思わず感激で涙が出そうだった。

「ロレイユ様……。アシュ、私達の準備も」

「はい、ミネス様」

 魔王ロレイユ、魔人ミネス。

 そして、元暗殺者のアシュと言った奇妙な面々は同じテーブルを囲んで食事をする。

 ロレイユはアシュに話しかけた。

「アシュとやら、お前は天涯孤独の身か?」

「はい、生まれた時から家族は居ません。暗殺者として生きていました」

 その答えを聞いて、ロレイユは少し満足そうだ。

「そうか。なるほど、ミネスこいつは見込みがありそうだな」

「はい! ロレイユ様!」

 食事を終えて、ロレイユは外に出る。眩しい日差しが出迎えてきた。

「ミネス。アシュ。来い」

 その言葉に、ミネスとアシュは同じ返事をする。

「はっ!!」

「アシュ、お前の腕を見たい。私を殺すつもりで来い」

 ロレイユがそう言っても、アシュは顔色一つ変えずに返事をした。

「はっ」

 その態度を見て、ロレイユは更にアシュを気に入る。

「それではいつでも来い!」

 アシュは右手にナイフを、逆手持ちして一気にロレイユへと駆け寄った。

「遅いな」

 ロレイユはアシュのナイフを軽々とつまんで投げ飛ばす。