コニヤンの辺境の地、そこにミネスは向かった。
「ロレイユ様、こんな場所ですが、お許しください」
簡素な家に、ロレイユを案内するミネス。
「あぁ、ところでお前は……」
「改めまして、魔人ミネスと申します。ロレイユ様は存じ上げないでしょうが、封印されたロレイユ様とは何度もお会いしておりました」
その事実にロレイユは短く返す。
「そうか……」
家の中に入り、ミネスは早速ロレイユに休むよう促した。
「ロレイユ様、お疲れでしょうからお休みください」
「あぁ」
ロレイユは紫がかった長い銀髪を揺らしながらミネスの後を付いてゆく。
「こんな安物のベッドですが、どうぞお休みください」
言われなくとも分かる、安物だ。
だが、そんな事は気にしていられない。今はとにかく体がだるい。
ロレイユはベッドに横たわるとすぐに眠りに付いた。
夕暮れ時、窓からの夕日がロレイユを優しく照らす。
「もうこんな時間か……」
目覚めたロレイユは上体を起こし、ベッドから降りた。
その時、感じ取ったのは人の気配だ。
思わず扉をバンっと開けて飛び出す。気配へ近付く。
そこには魔人ミネスと共に、金髪の少女が居た。
「貴様、そこに居るのは人間ではないか!?」
ミネスはロレイユに笑顔で返す。
「仰る通り、人間ではございますが、この者には利用価値があります」
そう言われるも、ロレイユは魔法の剣を作り出し、金髪少女に向ける。
首元に剣を突き付けられても、少女は微動だにしない。
ミネスは言う、
「まぁ、ロレイユ様が気に入らないのであれば、殺してしまっても構いませんが」
そう言われ、ロレイユは魔法の剣を消した。
「血で家が汚れる」
それだけ言って踵を返す。
「ロレイユ様、夕食の支度が出来ております」
ミネスが用意した夕食を、小さなテーブルでロレイユは一人運ばれる料理を眺めている。
「どうぞ、お召し上がりください」
数百年ぶりの食事は中々美味いものであった。
ロレイユの食事が終わると、ミネスは尋ねる。
「お口に合いましたでしょうか?」
「あぁ、美味かったぞ」
ロレイユが言うと、ミネスは感激に身が震えた。
「身に余る光栄でございます」
その隣でずっと立っている先ほどの金髪少女がロレイユは気になった。
「その者、名をなんという」
金髪少女は抑揚のない声でボソッと答えた。
「アシュと申します」
「そうか、アシュか……」
自分でも人間の名を尋ねてしまい、驚いていた。人間に名を尋ねるなど、封印される前の一度きりだ。
「まぁ、せいぜい我の機嫌を損ねないことだな」
アシュは短く返事をする。
「はっ」
「そして、ミネス。何故、そのアシュとやらがここに居る?」
ミネスは質問に答える。
「はっ、この者は暗殺者でしたが、人間への憎悪、そして魔法を掛けた際の腕を見込んで使用人として連れ去りました」
「なるほどな、我に忠誠を誓うのならば、生かしてやらんこともない」
アシュは深々と頭を下げる。
それを見てから、ロレイユは言った。
「我はまた休む」
ミネスは笑顔でそのロレイユを見送る。
「はい、お休みなさいませ」
「ロレイユ様、こんな場所ですが、お許しください」
簡素な家に、ロレイユを案内するミネス。
「あぁ、ところでお前は……」
「改めまして、魔人ミネスと申します。ロレイユ様は存じ上げないでしょうが、封印されたロレイユ様とは何度もお会いしておりました」
その事実にロレイユは短く返す。
「そうか……」
家の中に入り、ミネスは早速ロレイユに休むよう促した。
「ロレイユ様、お疲れでしょうからお休みください」
「あぁ」
ロレイユは紫がかった長い銀髪を揺らしながらミネスの後を付いてゆく。
「こんな安物のベッドですが、どうぞお休みください」
言われなくとも分かる、安物だ。
だが、そんな事は気にしていられない。今はとにかく体がだるい。
ロレイユはベッドに横たわるとすぐに眠りに付いた。
夕暮れ時、窓からの夕日がロレイユを優しく照らす。
「もうこんな時間か……」
目覚めたロレイユは上体を起こし、ベッドから降りた。
その時、感じ取ったのは人の気配だ。
思わず扉をバンっと開けて飛び出す。気配へ近付く。
そこには魔人ミネスと共に、金髪の少女が居た。
「貴様、そこに居るのは人間ではないか!?」
ミネスはロレイユに笑顔で返す。
「仰る通り、人間ではございますが、この者には利用価値があります」
そう言われるも、ロレイユは魔法の剣を作り出し、金髪少女に向ける。
首元に剣を突き付けられても、少女は微動だにしない。
ミネスは言う、
「まぁ、ロレイユ様が気に入らないのであれば、殺してしまっても構いませんが」
そう言われ、ロレイユは魔法の剣を消した。
「血で家が汚れる」
それだけ言って踵を返す。
「ロレイユ様、夕食の支度が出来ております」
ミネスが用意した夕食を、小さなテーブルでロレイユは一人運ばれる料理を眺めている。
「どうぞ、お召し上がりください」
数百年ぶりの食事は中々美味いものであった。
ロレイユの食事が終わると、ミネスは尋ねる。
「お口に合いましたでしょうか?」
「あぁ、美味かったぞ」
ロレイユが言うと、ミネスは感激に身が震えた。
「身に余る光栄でございます」
その隣でずっと立っている先ほどの金髪少女がロレイユは気になった。
「その者、名をなんという」
金髪少女は抑揚のない声でボソッと答えた。
「アシュと申します」
「そうか、アシュか……」
自分でも人間の名を尋ねてしまい、驚いていた。人間に名を尋ねるなど、封印される前の一度きりだ。
「まぁ、せいぜい我の機嫌を損ねないことだな」
アシュは短く返事をする。
「はっ」
「そして、ミネス。何故、そのアシュとやらがここに居る?」
ミネスは質問に答える。
「はっ、この者は暗殺者でしたが、人間への憎悪、そして魔法を掛けた際の腕を見込んで使用人として連れ去りました」
「なるほどな、我に忠誠を誓うのならば、生かしてやらんこともない」
アシュは深々と頭を下げる。
それを見てから、ロレイユは言った。
「我はまた休む」
ミネスは笑顔でそのロレイユを見送る。
「はい、お休みなさいませ」



