別の形で会い直した宿敵が結婚を迫って来たんだが

 今日は王による緊急事態宣言がなされる。

 城の広場は解放され、既に大勢の人がやって来ていた。

 マルクエンは城からそれを見下ろして呟く。

「凄い人だかりだな」

 ラミッタも下を覗いて同意した。

「えぇ、そうね。まぁ、気合い入れる為にも朝ごはん。食べに行きましょ」

「あぁ、そうだな!」



 客用の食堂で豪華な朝食を済ませた後は、使用人に案内され、城の一室に通される。

 軍の参謀長シガレー、治安維持部隊長ターバが既に部屋の中で待っていた。

 マルクエンは挨拶をする。

「おはようございます。シガレー殿、ターバ殿」

「勇者様、おはようございます」

 二人からの挨拶が返って来て、シガレーがさっそく本題へと移る。

「さて、本日の流れですが……」




 城の広場、そこには人々が押し寄せていた。

 音楽隊のラッパが鳴り響き、拡声魔法で声が響く。

「これより、我が偉大なる王より、お言葉を賜ります」

 広場を見下ろせる高台に王と、勇者達が現れる。

 民衆は歓声と拍手を送った。

「皆、静粛に」

 王の口から言葉が出ると、民衆は静まり返る。

「勇者の報告によると、我が国に『魔王ロレイユ』が再び現れた可能性がある」

 古の魔王の名が出て、民衆はどよめいた。

「静粛に、これより我が国コニヤンでは緊急事態宣言をする。皆が一丸となって魔王を倒すのだ」

「案ずるな、我々には勇者がいる」

 王が言うと、勇者達は前に出た。

「勇者マスカル。そして異世界からの勇者、マルクエン殿とラミッタ殿だ」

 マスカルが声高らかに民衆へ言い放った。

「皆さんは我々勇者がお守りします! どうか皆さんのお力も貸してほしい!!!」

 勇者の登場に、どよめいていた民衆は、一気に歓声を上げる。

 次に、マルクエンは緊張しながらも宣言する。

「私は、今はこの国を守るためにいます!」

 ラミッタも言葉を出す。

「皆さん、我々にお任せを!」




 緊急事態宣言は成功に終わった。やはり勇者と言う存在は人々の希望になるのだろう。

 軍の参謀長シガレーは、高台から下がった国王と、勇者の皆に声を掛けた。

「我が王、見事な演説でした。勇者の皆様も、民の希望となった事でしょう」




 緊急事態宣言は連絡石により、すぐに国中に拡散された。

 これより、この国は魔王と戦う事になる。

 そんな運命を感じさせないほどに、空は晴天だった。



 客室ではラミッタはベッドに腰かけ、マルクエンは机の前で紅茶を飲む。

 ラミッタは伸びをして、そのまま後ろに倒れた。

「あーもう。緊張したし疲れたー!!!」

 マルクエンも笑いながら同意する。

「ははは、そうだな」

 ラミッタは目を瞑ったまま話始めた。

「私達はしばらく王都で待機なんでしょ? その間、何をしようかしら」

「そうだな、何をするんだろうな……」