別の形で会い直した宿敵が結婚を迫って来たんだが

 今日できる全ての事が終わり、一段落したマルクエンとラミッタ。

 ラミッタはうーんと伸びをしながら言う。

「あー、なんだか戦うより疲れたわ」

 マルクエンも同じ気持ちなので軽く笑って返す。

「あぁ、そうだな」

 そんな二人の元へやって来る人物がいる。

「マルクエン様、ラミッタ様」

 振り返ると、ルサークが立っていた。

「あぁ、ルサークさん!」

 彼はどこか浮かない顔をしていたので、気になったが、マルクエンが尋ねる前にルサークの言葉があった。

「もし、お時間があれば。ヴィシソワ様がお呼びですので、例の場所へ来てもらえませんか?」

 例の場所と言われ、地価のことかと理解するマルクエン。

「分かりました。行こうかラミッタ」

 ラミッタも「そうね」と言って、一緒に地下へと向かう。




「さぁ、あなたはその程度ですか?」

 地下へ入るなり、ヴィシソワの声が響く。

 誰があの地獄の訓練を受けているのだろうと、覗き見る。

 その人影を見てラミッタは小声で呟く。

「アイツ……」

 そこに居たのはスパチーだった。片膝を付きながら魔法で作り出した剣を握りしめている。

 こちらに気付いたヴィシソワはスーッと飛んできて挨拶をしてきた。

「おや、マルクエンさんとラミッタさん」

 マルクエンも笑顔で挨拶を返す。

「どうも、ヴィシソワさん」

「事情はルサークさんより聞いて下さい。さぁ休んでいる暇はありませんよ!!」

 ヴィシソワはスパチーの元へと帰り、丸投げされたルサークは話始めた。

「えっとですね。お二人が王都を出発する時に会って下さった『シシト様』なんですが、亡くなったんですわ」

 あの少年がとマルクエンは驚くと同時に悲しい気持ちになる。

「そうでしたか……」

 ラミッタも同じようで、目を伏せる。

「それは、残念でしたね」

 ルサークは続けて話す。

「それで、スパチーはシシト様に懐いていたんですがね。シシト様の国を守る騎士になるという夢、それを継ぐために国を守るって修行しているんです」

 スパチーの心変わりに、マルクエンもラミッタも地面に倒れている彼女を見た。

 ラミッタは腕を組んで言う。

「あの脳筋で壊すことぐらいしか頭になかったアイツがねぇ……」

 ヴィシソワはスパチーに魔法の光弾を撃ち続けていた。

「そら、その程度じゃ国は守れませんよ」

「っぐ、私はシシトの代わりに国を守るんだ!!!」

 だが、一発貰い、吹き飛んで大の字に寝ころぶスパチー。

「今日はこの程度にしておきます。明日また修行です」

 スパチーははぁはぁと言いながら右腕で目を隠して泣いていた。

 傍で見ていたデルタが駆け寄って上半身を抱え起こす。

「スパチー、大丈夫!? どこか痛い!?」

「痛くないぞ!! 悔しいんだぞ!!」

 ルサークとマルクエン達も闘技場まで歩いてスパチーの近くまで来た。

「私は強くなりたいんだぞ!! シシトも助けられるぐらいに強くなりたいんだぞ!!」

 そんな事を言うスパチーを見て、マルクエンは屈んで話す。

「スパチー。シシト様の事は残念だったな。だが、変わったな」

 マルクエンとラミッタを見てスパチーは言う。

「んな!! ゆーしゃ!!」

 ラミッタも、腕を組み、片目を閉じて話しかけた。

「アンタ、性格も強さも、マシになったんじゃない?」

 スパチーは首を傾げて言う。

「ん? どういう事だ!?」

 ラミッタは、はぁっとため息を吐いた。

「頭の残念さだけは変わっていないみたいね」

「なんか馬鹿にされた気がするぞ!! やっぱお前嫌いだ!!!」