別の形で会い直した宿敵が結婚を迫って来たんだが

 マルクエン達は馬車に乗り、王都への道を急いだ。

 数日掛けて辿り着き、門を抜けて城へと向かう。

 馬車を預け、横に寝かされているラミッタにマルクエンは声を掛けた。

「ラミッタ、運ぶぞ」

 その提案をラミッタは拒否する。

「だ、大丈夫よ! もう歩けるから!! 人目もあるし!!」

 心配するマルクエンだったが、ラミッタは痛みを堪えながら歩く。

 城の入り口ではスフィン将軍が待っていた。マッサも一緒だ。

 マルクエン達に気付いたマッサが歩み寄って来る。

「マルクエンさん、ラミッタさん!! 大丈夫でしたか!?」

 マルクエンは答えた。

「えぇ、まぁ、なんとかですが……」

 ラミッタを一目見るなり、スフィンは言う。

「ラミッタ、酷くやられたな」

「申し訳ありません。スフィン将軍……」

 スフィンは近付いて、手から青い光を出し、ラミッタの傷口を塞ぐ。

「私の世話になるような事はするなと言ったはずだ」

「面目ありません……」

 ラミッタは気まずそうにしていた。

 治療が終わると、スフィンは言う。

「これで良いな。国王や国のお偉方と話すのだろう? 私やこいつも同行するよう言われている」

 そう言ってマッサを指さすスフィン。四人は皆で王の間へと向かった。

 王の間の前でマルクエン達は懐かしい顔に出会う。

 勇者マスカルと、その仲間たちだ。

 マルクエンは目を見開いて声を掛ける。

「マスカルさん! ゴーダさんにアレラさんも!」

 勇者マスカルもマルクエン達へ返事をした。

「おぉ、マルクエンさん、ラミッタさん!」

 互いのパーティは軽く再会を喜び、その後マスカルは険しい顔になる。

「今回の一件。大変だったようで。王がお待ちです。向かいましょう」

 重い扉が開き、王の間へ入る一行。

 そこには玉座に座る王と、その周りには軍の参謀長。治安維持部隊隊長。

 その他国の重鎮らしき者たちが待っていた。

 王の前に勇者パーティの皆は並び、(ひざまず)く。

「勇者マルクエン殿、ラミッタ殿、大体のお話は伝わっておりますが、今一度ご説明願いたい」

 マルクエンは顔を上げて返事をする。

「はっ、聖地マーピュにて……」

 鉱石の中に人が居たこと、魔人がその人物を『魔王ロレイユ』と呼んでいた事。思い出せる限りを話した。

 マルクエンの話が終わると、王は「ふむ」と言って目を閉じ、軍の参謀長シガレーに尋ねる。

「シガレー、お前はどう思う」

「はっ、恐れながら。今まで魔王が復活したという事は、事実確認が取れず。魔人の出現と残した言葉。統制の取れた魔物の襲撃などによる推測でした」

 そこまで言い、また口を開くシガレー。

「事実、魔王が居ると思わしき場所へ軍を送っても、魔人や魔物との戦闘で終わり、魔王を一度も確認できた事はありません」

「ですが、此度(こたび)は強大な魔力の観測、魔人の動き。何より勇者様に怪我を負わせる実力から見て、私は魔王の可能性が高いかと考えております」

 シガレーの言葉に、王は頷く。

「そうか。私も、(いにしえ)の魔王『ロレイユ』でないにしても。魔王が復活したと考えておる」

 皆が王の言葉を待つ。

「国に魔王が正式に表れたと、緊急事態宣言をする」

 王の間に居る者達はどよめいた。

「民は混乱するかもしれぬが、民を守るためだ」

 そして、王は立ち上がる。

「勇者マスカル。勇者マルクエン殿、勇者ラミッタ殿。(みな)には魔王の早期発見と、討伐をこれより命じる!」

 勇者達は頭を下げた。

「はっ!!」