別の形で会い直した宿敵が結婚を迫って来たんだが

 体力のあるマルクエン達と言えど、一泊を挟まないと村へ着くのは難しかった。

 洞窟で夜を明かし、明日に備えることにする。

 ルナはラミッタの治療をし、寝床の準備はカオリーが、料理はマルクエンが担当した。

「よし、出来た!」

 マルクエンは干し肉のスープと固いパンを焼いて柔らかくしたトーストを作る。

 皆は火を囲んで食事を待っていた。

 ルナとカオリーに食事を渡し、マルクエンは横になるラミッタの元までパンとスープを持って歩く。

「ラミッタ、具合はどうだ?」

「えぇ、大丈夫よ。ルナさんの魔法のお陰で痛みも軽くなってきたし」

 とは言うが、ラミッタの肩には穴が開いている。まだ血も出ていていた。

「大丈夫か? 食べられそうか?」

「なんてことないわよ」

 そう言ってラミッタは上半身を起こそうとするが、苦痛で顔が歪む。

 見かねたマルクエンは、ラミッタの上半身を抱きかかえ、支えてやった。

「なっ!! 何してんのよ宿敵!!」

「寝たままでは食べられないだろう?」

「べ、別に大丈夫よ!!」

 強がるラミッタだったが、観念したのか赤面しながら目を泳がす。

「それじゃ、イタダキマス! ってな」

 マルクエンは、上半身と左腕でラミッタを支え、右手に持ったスプーンをラミッタの口元にまで運ぶ。

「なっ!! そ、それぐらい、一人で食べられるから!!」

「心配なんだ。食べてくれ」

 ルナはあえて自分がやるとは言わず、微笑んでいた。

 カオリーは羨ましそうにそれを見つめている。

「し、仕方ないわね!!」

 スープを一口食べるラミッタ。

「宿敵、アンタまた料理上手くなった?」

「そうか?」

 照れながらマルクエンは笑った。

 ルナもマルクエンに味の感想を告げる。

「本当、美味しいです!」

 カオリーもうんうんと頷いた。

「強くて料理も出来るなんて最高のダンナだよ」

 はははと笑いながら更に照れるマルクエン。

「本当、昔は料理なんてしたことも無かったものですがね……」

 食事が終わると、マルクエンが見張りをし、先に皆は休んだ。

 交代の時間になるも、マルクエンはルナもカオリーも起こさずに、一人見張りを続けていた。

 朝になり、ルナは外の明るさを見て「しまった!」とマルクエンに駆け寄る。

「す、すみません! マルクエン様!! 寝過ごしてしまいました!! お声を掛けて下されば良かったのに……」

「いえ、登山とラミッタの治療でお疲れでしたでしょうから」

 その騒ぎを聞いてカオリーも目を覚ます。

「ダンナー! すっかり寝ちまったよ!」

「ははっ、おはようカオリー。ついでに朝食も作っておいたぞ」

 ラミッタも肩の痛みを感じながら目が覚める。

「いつつ、おはよう宿敵」

「あぁ、おはようラミッタ。怪我の具合はどうだ?」

「大丈夫よ」

 そうは言うが、ラミッタのいつもの強がりを見抜いたマルクエン。

「無理はしないでくれ。さぁ、食べて出発しましょう!」