別の形で会い直した宿敵が結婚を迫って来たんだが

 魔王という言葉に、その場にいた全員に緊張が走る。

 魔王『ロレイユ』はミネスに言った。

「お前は……」

「ずっとお待ちしておりました。魔人ミネスと申します」

 魔人と聞いてロレイユは目を丸くする。

 地上ではカオリーが上空の二人を指さし、言葉を口にした。

「な、なぁ。今、魔王って……」

 ルナはポツリと呟く。

「古の魔王、ロレイユ……。まさか……」

 ラミッタは上空に飛び上がり、魔法を連射した。

「なんだか分からないけど、ここで止めるわ!!」

 マルクエンも頷いて光の刃を放つ。

「あぁ!!」

 ミネスは魔法の防御壁でそれらを弾いた後、今まで見せた事がない冷たい顔をして言った。

「邪魔しないでくんない?」

 ラミッタは剣を防御壁に叩き付ける。

「お取込み中悪いけど、ここで消すわ!!」

 そんな時、魔王ロレイユが指先をラミッタに向けた。

 次の瞬間、光の筋が流れ、ラミッタの左肩を貫く。

 不意に打たれた上に、あまりの速さにラミッタは避けることができなかった。

 ラミッタは小さく声を上げる。

「っつ!!!」

 地上からはマルクエンが叫んだ。

「ラミッタ!!」

 ラミッタは上空の二人から距離を取り、地上に一度降り立った。

 ミネスがロレイユに話しかける。

「ロレイユ様、お体はまだ封印から解けたばかり、私と共に拠点まで向かいましょう」

「ならぬ、ここで人間をころ……」

 そこまで言いかけて、ロレイユはぐったりとミネスに寄り掛かった。

「ロレイユ様、ご無理をなさらず」

 ミネスはロレイユを抱きかかえて飛び去る。

 ラミッタは光線で射抜かれた左肩を抑えながら言う。

「くそっ、やられたわ!!」

 マルクエンも飛んでいく二人を見て呆然としていた。

「まさか、あの人は本当に魔王なのか……? そ、それよりもラミッタ怪我は!?」

 ラミッタは強がりながら返事をする。

「平気よ」

 ルナが駆け寄り、ラミッタの肩に手を置く。

「ラミッタさん!! 横になってください!!」

 大慌てで治療と痛み止めの魔法をラミッタに掛けた。

「ありがとう、ルナさん……」

 ルナは治療をしながら言う。

「いえ、でもあの魔人が言う事が本当であれば、大変な事になりましたね……」

 そこで状況に置いてけぼりのカオリーが大声を出した。

「なぁ、いったい何が起きているんだ!? ダンナァ!?」

 マルクエンは首を横に振る。

「私にも……分からない」

 ラミッタは横になりながらも、冷静に言った。

「一度、状況を整理してみましょうか」