別の形で会い直した宿敵が結婚を迫って来たんだが

 マルクエン達の目の前で、紫色の鉱石は音を響かせて崩れ落ちた。

 鉱石の中に居た人は、そのまま崩れた鉱石と共に地面へザーッと流れる。

 マルクエンは慌てて駆け寄ろうとするが、ラミッタに手で制止された。

「待ちなさい。何があるか分からないわ……」

 二人はゆっくりと警戒し、生きているのかも死んでいるのかも分からない彼女へ近付く。

 ルナは動けずに二人をじっと見ていた。

 マルクエンとラミッタは、倒れる女性へじりじりと歩み寄り、顔を確認した。

 その瞬間だった。彼女は目を見開いて宙へふわりと浮く。

 そのまま立ち上がり、周囲を見回した。

 マルクエンが思わず短い声を出す。

「なっ!?」

 その声に反応したのか、女はマルクエン達の方をじっと見た。

「貴様ら、人間か?」

 ラミッタは冷静を装いながら返す。

「人間かって、その口ぶりだと、アナタ人間じゃないみたいね?」

 ラミッタの言葉に、女は目を閉じた。

「そうか、まぁいい。死ね」

 女がそう言うと、膨大な魔力が溢れ、光の線が何本も飛んでくる。

 反応できたラミッタは魔法の防御壁を張るが、圧倒的な力に数本でも割れる寸前だった。

 ラミッタとマルクエンが反撃をしようとすると、女は長い銀髪を振り乱し、頭を押さえてうずくまる。

 一瞬マルクエンは躊躇(ためら)ったが、今叩き潰さねばならないと光の刃を飛ばした。

 それは女に命中する寸前で、光の粒となって消える。

 マルクエンにとって初めての出来事だ。

 次に、女は立ち上がると、そのまま飛び上がり、洞窟の天井を破壊しながら外へ飛び出てしまった。

 ラミッタは揺れを感じながら言う。

「まずい! 崩れるわ!!」

 ラミッタは宙を飛び、マルクエンはルナを抱えて全力で走り出す。

 なんとか洞窟の外に出ると、カオリーが血相を変えて話しかけてきた。

「あの飛び出てきたのは何だい!?」

 カオリーが指さす先には上空に浮いているさっきの女だ。

 マルクエンはその光景を見て言う。

「まさか、あの女性も魔人なのか!?」

 ラミッタも剣先を上空に向けながら答える。

「おそらくは、そうでしょうね」

「ざんねーん。ハズレー」

 突然の声に皆はその聞こえた方を見た。

 奇術師の魔人『ミネス』がそこに立っていた。

 ラミッタはその姿を確認するなり、炎を数発飛ばす。

「またアンタか」

 軽くそれらをあしらうと、ミネスは言う。

「はいはい、とりあえず。今は感動の再会なんだから大人しくしていてよ」

 ミネスは上空に飛び上がり、女性に空中で(ひざまず)いた。

「お初にお目にかかります。魔王『ロレイユ』様」