別の形で会い直した宿敵が結婚を迫って来たんだが

 ラミッタは空を飛びながら魔力の根源を探し当てる。

「こっちよ! 急いで!」

 マルクエンは小さな洞窟の前へ辿り着き、ラミッタも地上に降りた。

「どうやら、この中が怪しいわね」

 ルナとカオリーも息を切らしながら追い付いてくる。

 荒い息を吐きつつルナが言う。

「はぁはぁ、勇者様……。私も……、魔力を感じます」

 マルクエンは頷いて答えた。

「えぇ、ここが怪しいようですね」

 マルクエンは剣を引き抜き、ラミッタも構える。

 振り返ってマルクエンは言う。

「我々で向かいます。ルナさん、カオリー。二人はここで……」

 そこまで言いかけるが、ルナに言葉を被せられてしまった。

「マルクエン様!! 危険は承知です!! 覚悟はしています。私は行きます!!」

 彼女の言葉に渋い顔をするマルクエン。

「しかし……」

 ラミッタはそんなマルクエンに言う。

「宿敵。ルナさんも覚悟して来ているわ。時間が無いかもしれない。行きましょう」

「……。そうだな、すまなかったルナさん」

 ルナが一歩前に出ると、カオリーも便乗しそろっと前に出るが。

「ただしカオリー。君はダメだ」

「なんでだいダンナ!?」

「民間人を巻き込むわけにはいかない」

「ここまで来て水臭いぜダンナァ!!」

 ラミッタが洞窟を見ながら叫ぶ。

「魔力がどんどん強力になっていく!! 多分だけど、凄く嫌な予感がするわ」

「わかった、行こう!!」

 マルクエンとラミッタは先陣を切って洞窟へ入る。

 ラミッタが照明弾を打ち上げながら進むので、洞窟内は明るく照らされていた。

「そろそろね」

 そうラミッタは言った後、次の照明弾を洞窟の奥へ打ち出した。

 照らし出されてしまった情景を見てラミッタとマルクエンは固まる。

 後から付いてきたルナは何事かと前を見た。

「えっと、何が……」

 それが目に入った瞬間。言葉を失う。

 紫色の巨大で透明な鉱石の中に人が入っていた。

 皆が警戒しながら近付くと、更に全容が見えてくる。

 人は、女性だった。美しい女性。長い髪にドレスの様な黒い服を着ていた。

 顔には見づらいが、雷のような黒い刺青か化粧をしている。

 まるで棺桶に入る様に手を組み合わせて、眠る様に鉱石の中に封じ込められていた。

 マルクエンが思わず息を飲んで言葉を出す。

「な、なんだこれは……」

 ラミッタも目の前の異様な光景に短く言葉を返すのが精一杯だ。

「し、知らないわよ……」

 ルナも一生懸命何かを考えていた。

「こ、これは……」

 また魔力を感じる。この目の前の女性からだ。

 ラミッタが話す。

「魔力の(みなもと)はここね」

 マルクエンは信じられなかったが、言う。

「この女性がか!?」

 次の瞬間。ひときわ強い魔力が放たれ、洞窟内を揺らす。

 そして、鉱石にヒビが入った。

 そのヒビは段々と大きくなり、ピシッピシッと音を立てて。