別の形で会い直した宿敵が結婚を迫って来たんだが@完結

 カオリーはラミッタ達に言う。

「食事はアンタ等に任せた。ダンナは私に任せな!」

 ラミッタはムキになって怒った。

「アンタも手伝いなさい!!」

 マルクエンは苦笑いし、洞窟の中を見渡す。

「それじゃ、私は寝床の準備をしよう」

 カオリーはマルクエンに習って言う。

「それじゃ、私はダンナと寝る準備をしよう」

 ラミッタはすかさずツッコミを入れた。

「だから、何言ってんのよアンタ!!」


 マルクエンは赤く染まる山々を見てポツリと呟く。

「綺麗だな……」

「ダンナ、私がかい?」

 驚いて隣を見ると、カオリーがもじもじしながら立っていた。

「い、いや、夕日が綺麗で!!」

「ロマンチストだねぇ、ダンナ!」

 そこに極太の氷柱が数本飛んできて、二人は飛びのく。

 ラミッタが遠くから怒声を飛ばしてきた。

「そこ! サボらない!」



 カオリーは結局、見張りをすることになり、しばらくして食事が出来上がる。

 まだ村から近いので、柔らかいパンと、新鮮な野菜と肉のスープだ。

 マルクエンは見張りのカオリーに話しかけた。

「カオリー。夕飯ができたぞ」

「お、ダンナァ! 異常なしですぜ。それじゃご一緒させて頂きますか」

 カオリーは久しぶりに見る手の込んだ料理によだれが出そうだった。

 マルクエンは両手を合わせて言う。

「それじゃ、イタダキマス!」

 ルナとカオリーも同じように言ってから食べ始める。

 カオリーはスープを飲んで、パンをかじり、幸せそうに言った。

「うんめええ!! 柔らかいパンなんていつぶりだー?」

 マルクエンはハハハと笑って尋ねる。

「カオリーは普段どんな食事をしているんだ?」

 腕を組んで、カオリーは答えた。

「食べられる野草と、川の魚。あとは食える魔物を食べていやしたねぇ……」

 マルクエンはまたも笑う。

(たくま)しいな」

「まぁ、山賊なんてこんなもんでさぁ!」

 ラミッタはマルクエンの隣に座るカオリーをジト目で見ていた。

 そんな視線に気づかずに、マルクエンは楽しそうにお喋りをしている。

「ところで、なんでカオリーは山賊をやっているんだ?」

「そうですねぃ、昔は傭兵や冒険者をやっていたんですがね、金を盗んだ濡れ衣を着せられて、逃げてここまで来たんですわ」

 思いもよらぬ過去に全員が静まり返る。

「それで、やけになって、ここで魔石や魔物狙いの金持ちの手先から物を(かす)め取っていたわけですわ」

 マルクエンはうーむと言った後に言葉を出す。

「そうか、辛いことを聞いてすまなかった」

 それに対し、カオリーは慌てだす。

「全然! 辛いだなんてとんでもねぇ! なんだかんだこの生活は楽しいしな!」

 だがマルクエンは神妙な顔をして言う。

「山賊は、命を落とすかもしれない。私からも進言するから山賊をやめないか?」

 その言葉にカオリーは照れだす。

「つまりその、山賊をやめて私の嫁にならないかってコトですかい? ダンナも大胆だなー。そういう所が好きなんだけども」

 マルクエンはあたふたとしながら否定する。

「いや、そうじゃなくて! 普通に何か職に就いて欲しいんだ! それほどの腕があれば、どこでも歓迎されるだろう!」

 うーんとカオリーは悩む。

「ダンナがそう言うんでしたら、考えておきやすよ」