別の形で会い直した宿敵が結婚を迫って来たんだが

 マルクエンは拳を突き上げて飛んできた岩を砕く。

 それを見て、山賊の女は驚いていた。

「なっ!?」

 マルクエンは剣先を相手に向けて言う。

「力は中々だ」

 山賊の女は怒りでわなわなと震え、大斧を振りかざした。

「ナメんじゃないよ!!」

 マルクエンは大剣で受け止め、鍔迫り合いになる。

 だが、容易(たやす)く山賊の女は弾かれて距離を取った。

 もう一度向かってくる山賊の女の振り下ろした手を持って、マルクエンは投げ飛ばし、地面に叩きつけた。

「がふっ!」

 山賊の女は背中から落ちたので、息ができない。そこにマルクエンは剣を突き付けた。

「終わりだ」

 そう言われ、山賊の女は言う。

「っくそ! 殺せ!」

 だが、マルクエンは剣を収め、屈んで言う。

「いいか? 私達をもう襲うな。そして山賊なんか辞めるんだ」
 
 山賊の女はマルクエンに言い返す。

「なぜ助けた? さっさとトドメを刺せ!」

「生きろ、殺すには惜しい」

 美青年に初めてそんなセリフを言われ、山賊の女は顔を赤らめる。

「っつ……」

 マルクエンは背を向けて歩き始めた。

「さぁ、行こう。ラミッタ、ルナさん」



 その後は山賊の襲撃は無かった。

 一般の冒険者には強い程度の魔物は出てきたが、三人の敵ではない。片手間に倒すと、どんどん道を進む。

「今日はここまでにしよう」

 開けた場所で野営の準備をする。

 その時、ラミッタは人の気配を感じ取った。

「そこにいるんでしょ、出てきなさい!」

 出てきたのは先ほど戦った山賊の女だ。

「また性懲りもなく来たのね」

「うるさい、お前に用はない!」

 騒ぎを聞きつけてマルクエンもやって来た。

「なんだ……。って、さっきの!?」

 マルクエンは剣を構えようとするが、山賊の女に止められる。

「違う! 戦いに来たんじゃない。お前には勝てねぇのは分かっているからな……」

「それじゃ何の用だ!」

 山賊の女は視線を右下にずらしながらもじもじとする。

「私はお前に負けた。敗者は勝者に従うもんだろ」

 そう言ってマルクエンに近付く。

「私を好きにしろ」

「え、は?」

 マルクエンはドキドキしながら疑問符が浮かぶ。

「というか、生かした責任を持って。私をお前の女にしろ!!!」

 マルクエンだけでなく、ラミッタとルナも声を上げた。

「えええええええええ!?」