このままシヘンの無事を祝いたかったが、それをするには人々の視線が多すぎた。
シヘンがおずおずと手を上げながら提案する。
「私とケイとリッチェさん同じお部屋なんです! よければちょっとお話しできませんか?」
ラミッタは笑顔で返事をした。
「そうね、少し時間はあるから」
シヘンの案内でマルクエンとラミッタは後に付いていく。
あんなに心待ちにしていたシヘンとの再会を果たしたのに、部屋へと向かうマルクエンは気が重かった。
ケイがそんなマルクエンの思いを察したのか、尋ねる。
「あれー? マルクエンさん、なんか悩み事っスか?」
「あ、い、いえ、ちょっとボーっとしていたみたいです」
マルクエンが慌てて取り繕うと、シヘンが言う。
「お疲れではないですか?」
心配させないよう、マルクエンは取り繕った。
「いえ、大丈夫です!」
部屋に入り、シヘン達はベッドに、マルクエンとラミッタは出された椅子に座る。
そこで、ケイがふと思い出して立ち上がった。
「あ、私お茶買ってくるっスー」
リッチェもその後を追うように立ち上がる。
「私も運ぶよ」
「そう? ありがとリッチェ姉ぇ」
ラミッタもニヤリと笑って言い出す。
「あー、私もちょっとお手洗いに行ってくるわ」
マルクエンは焦ってラミッタに声を掛ける。
「え、ラミッタもか!?」
「すぐ戻るわ、ごゆっくりー」
すぐと言いつつごゆっくりとはとツッコむ前にスタスタとラミッタは部屋から消えた。
二人、部屋に残されるマルクエンとシヘン。
シヘンはニコニコしていたが、マルクエンはソワソワして落ち着かなかった。
「マルクエンさん」
「は、はい!?」
思わずビクッとするマルクエンを見てシヘンはクスクスと笑う。
「どうしたんですか?」
「あぁ、いえ、そのー……」
シヘンはすぅーっと笑うのをやめて、マルクエンに話し続けた。
「私、腕を斬られた時、死んじゃうって思っちゃいました。大袈裟ですよね」
「大袈裟なんかじゃないです! そんな状況じゃ誰だって錯乱する」
シヘンは首を軽く横に振り、そして言葉を出す。
「私、自分の気持ちに気付いちゃいました。いや、ずっと気付いてはいたんです」
そして、言う。
「私、きっとマルクエンさんの事好きです」
「シヘンさん……」
どういう顔をすれば良いのか、マルクエンは分からなかった。
シヘンは続けて言う。
「でも、私は……、今はもっと強くなりたい。マルクエンさんも魔王を倒す目的がある」
「はい」
マルクエンは頷いた。シヘンはフフッと笑う。
「もし、私もマルクエンさんも夢を達成できたら。その時にもう一度お話ししてもいいですか?」
シヘンのまっすぐな気持ちを伝えられたマルクエンは、こちらも真摯に答えなくてはと身を乗り出す。
「はい、その時には」
ちょうどその時、部屋がノックされた。
「帰ってきたっすよー」
ケイがお茶を持ってドアを開ける。リッチェもニコニコとしながら入ってきた。
遅れてラミッタもやって来る。
「戻ったわー」
その後は、何事も無かったかのように、再会を喜び、話し合った。
しばらくして、ラミッタは時計を見て言う。
「そろそろ城に戻らなきゃね。明日の準備もあるし」
マルクエンも頷いた。
「あぁ、そうだな」
二人は立ち上がり、シヘン達も見送りの為に席を立った。
外へと歩くマルクエンの後ろからリッチェがちいさく声を掛けた。
「マルクエンの旦那も隅に置けやせんね」
「なっ!!」
マルクエンは察して顔を赤らめる。
シヘンがおずおずと手を上げながら提案する。
「私とケイとリッチェさん同じお部屋なんです! よければちょっとお話しできませんか?」
ラミッタは笑顔で返事をした。
「そうね、少し時間はあるから」
シヘンの案内でマルクエンとラミッタは後に付いていく。
あんなに心待ちにしていたシヘンとの再会を果たしたのに、部屋へと向かうマルクエンは気が重かった。
ケイがそんなマルクエンの思いを察したのか、尋ねる。
「あれー? マルクエンさん、なんか悩み事っスか?」
「あ、い、いえ、ちょっとボーっとしていたみたいです」
マルクエンが慌てて取り繕うと、シヘンが言う。
「お疲れではないですか?」
心配させないよう、マルクエンは取り繕った。
「いえ、大丈夫です!」
部屋に入り、シヘン達はベッドに、マルクエンとラミッタは出された椅子に座る。
そこで、ケイがふと思い出して立ち上がった。
「あ、私お茶買ってくるっスー」
リッチェもその後を追うように立ち上がる。
「私も運ぶよ」
「そう? ありがとリッチェ姉ぇ」
ラミッタもニヤリと笑って言い出す。
「あー、私もちょっとお手洗いに行ってくるわ」
マルクエンは焦ってラミッタに声を掛ける。
「え、ラミッタもか!?」
「すぐ戻るわ、ごゆっくりー」
すぐと言いつつごゆっくりとはとツッコむ前にスタスタとラミッタは部屋から消えた。
二人、部屋に残されるマルクエンとシヘン。
シヘンはニコニコしていたが、マルクエンはソワソワして落ち着かなかった。
「マルクエンさん」
「は、はい!?」
思わずビクッとするマルクエンを見てシヘンはクスクスと笑う。
「どうしたんですか?」
「あぁ、いえ、そのー……」
シヘンはすぅーっと笑うのをやめて、マルクエンに話し続けた。
「私、腕を斬られた時、死んじゃうって思っちゃいました。大袈裟ですよね」
「大袈裟なんかじゃないです! そんな状況じゃ誰だって錯乱する」
シヘンは首を軽く横に振り、そして言葉を出す。
「私、自分の気持ちに気付いちゃいました。いや、ずっと気付いてはいたんです」
そして、言う。
「私、きっとマルクエンさんの事好きです」
「シヘンさん……」
どういう顔をすれば良いのか、マルクエンは分からなかった。
シヘンは続けて言う。
「でも、私は……、今はもっと強くなりたい。マルクエンさんも魔王を倒す目的がある」
「はい」
マルクエンは頷いた。シヘンはフフッと笑う。
「もし、私もマルクエンさんも夢を達成できたら。その時にもう一度お話ししてもいいですか?」
シヘンのまっすぐな気持ちを伝えられたマルクエンは、こちらも真摯に答えなくてはと身を乗り出す。
「はい、その時には」
ちょうどその時、部屋がノックされた。
「帰ってきたっすよー」
ケイがお茶を持ってドアを開ける。リッチェもニコニコとしながら入ってきた。
遅れてラミッタもやって来る。
「戻ったわー」
その後は、何事も無かったかのように、再会を喜び、話し合った。
しばらくして、ラミッタは時計を見て言う。
「そろそろ城に戻らなきゃね。明日の準備もあるし」
マルクエンも頷いた。
「あぁ、そうだな」
二人は立ち上がり、シヘン達も見送りの為に席を立った。
外へと歩くマルクエンの後ろからリッチェがちいさく声を掛けた。
「マルクエンの旦那も隅に置けやせんね」
「なっ!!」
マルクエンは察して顔を赤らめる。



