初めてのキョーダイ日から数日後。最近では学校での茉莉花への人だかりもようやく落ち着いてきていた。本人も嬉しそうにアホ毛を揺らしている。
「おっす!颯汰!課題写させて?」
「おっす。青葉。自力でやれそのくらい」
「颯汰さん!?!?嘘だろ……!?」
朝から青葉が俺にストライキをしてくる。それを無視しながらスマホをいじっていた時、教室の扉が開いた。
扉の開いた先を見た青葉が目を見開く。
「え……?」
青葉は入ってきた人物に驚きを隠せないようだった。ざわついていた教室が静まり返る。
教室に入ってきたのは、茉莉花と――
「「「「「園田さん!?!?」」」」」
園田こと園田愛は、一年生の途中から入院で学校に来れていなかった、庇護欲の湧く愛らしい容姿と誰にでも分け隔てなく接するコミュ力が特徴のクラスメイト。そして――
「ちょっとぉ!青葉と颯汰!あんた達ねぇ!大事な大事な幼馴染が入院してるんならお見舞いくらい来てくれてもいいじゃない!ぼっちで寂しかったんだけど!?」
愛は、俺と青葉の幼馴染的存在だ。
「うるさいな。どうせお前のことだからスマホとにらめっこしてたんだろう、どうせ」
「ウッ……」
図星だからか、愛が顔を背けて青葉の後ろに隠れ出す。俺と愛の二人で言えば、犬猿の仲、という方が正しいのがしれないな。
「てか、なんで茉莉花ちゃんと愛が一緒に登校してんの?」
青葉が愛の背を撫でてなだめながら問いかける。愛が「青葉~!」と泣きついていた。
「元々愛ちゃんね、あたしのSNSで繋がっててさ!よく話してたんだよね~」
「そうそう。私が入院してる時にちょうど仲良くなったのよね~DMしたり?」
「「すごい偶然だよね~!」」
声を揃えて話す二人を見て、俺と青葉は顔を見合わせた。
「こいつら双子か?」
「……知らねぇよ」
教室が興奮状態になったところで、担任がやってきた。
「おーい!ホームルーム始めるぞ!席につけ~!」
皆渋々と席に着いていった。
――俺の日常に、また騒がしさがプラスされてしまった。
「園田さんもう病気?治ったの?」
「これからはずっと学校来れる?」
「大丈夫!皆と一緒にいられるよー!」
「「「「やったー!」」」」
休み時間、クラス外の奴らも質問をしに押し寄せ、愛はもみくちゃにされていた。
「た、たすけてぇ~!」
半泣き状態の愛の頭を撫でながら青葉が目を光らせる。
「しゃーねーなぁ愛はほんとによ」
立ち上がって、教卓に両手をついて青葉が叫ぶ。
「静粛に!放課後、愛お帰りパーティーを行う!皆の者、心に留めておくように!」
その瞬間、教室が雄叫びで揺れた。
――これがクラスの中心、瀬戸青葉。たった一言でクラスの統制をとるが、無理強いは絶対にしない。その行動力とリーダーシップを悪用しない。それが青葉があらゆる面でひっぱりだこな理由だ。
俺と愛は眉尻を下げてため息をつき、茉莉花は
「やったー!パーティーだパーティーだー!」
なんて言って飛び跳ね、はしゃいでいた。
「愛の無事帰還を祝して~?KP~!」
「「「「「「「「KP~!」」」」」」」
放課後、ジャンクフード店に集まった俺達のクラスは、「愛お帰りパーティー」なるものを催していた。
「なによ帰還って……」
愛は困惑の表情をしていたが、そこには嬉しさを隠しきれないのか笑みがこぼれていた。
「なあ、愛。これからは一年の頃みたいに一緒に登校したりとかできるのか……?」
青葉が期待と不安の眼差しを愛に向ける。
「勿論だよ!」
愛も花が満開に咲き誇ったような笑みでそれに応えた。
「そうか。……良かった」
青葉から偽りのない朗らかな笑みがこぼれた。
「おっす!颯汰!課題写させて?」
「おっす。青葉。自力でやれそのくらい」
「颯汰さん!?!?嘘だろ……!?」
朝から青葉が俺にストライキをしてくる。それを無視しながらスマホをいじっていた時、教室の扉が開いた。
扉の開いた先を見た青葉が目を見開く。
「え……?」
青葉は入ってきた人物に驚きを隠せないようだった。ざわついていた教室が静まり返る。
教室に入ってきたのは、茉莉花と――
「「「「「園田さん!?!?」」」」」
園田こと園田愛は、一年生の途中から入院で学校に来れていなかった、庇護欲の湧く愛らしい容姿と誰にでも分け隔てなく接するコミュ力が特徴のクラスメイト。そして――
「ちょっとぉ!青葉と颯汰!あんた達ねぇ!大事な大事な幼馴染が入院してるんならお見舞いくらい来てくれてもいいじゃない!ぼっちで寂しかったんだけど!?」
愛は、俺と青葉の幼馴染的存在だ。
「うるさいな。どうせお前のことだからスマホとにらめっこしてたんだろう、どうせ」
「ウッ……」
図星だからか、愛が顔を背けて青葉の後ろに隠れ出す。俺と愛の二人で言えば、犬猿の仲、という方が正しいのがしれないな。
「てか、なんで茉莉花ちゃんと愛が一緒に登校してんの?」
青葉が愛の背を撫でてなだめながら問いかける。愛が「青葉~!」と泣きついていた。
「元々愛ちゃんね、あたしのSNSで繋がっててさ!よく話してたんだよね~」
「そうそう。私が入院してる時にちょうど仲良くなったのよね~DMしたり?」
「「すごい偶然だよね~!」」
声を揃えて話す二人を見て、俺と青葉は顔を見合わせた。
「こいつら双子か?」
「……知らねぇよ」
教室が興奮状態になったところで、担任がやってきた。
「おーい!ホームルーム始めるぞ!席につけ~!」
皆渋々と席に着いていった。
――俺の日常に、また騒がしさがプラスされてしまった。
「園田さんもう病気?治ったの?」
「これからはずっと学校来れる?」
「大丈夫!皆と一緒にいられるよー!」
「「「「やったー!」」」」
休み時間、クラス外の奴らも質問をしに押し寄せ、愛はもみくちゃにされていた。
「た、たすけてぇ~!」
半泣き状態の愛の頭を撫でながら青葉が目を光らせる。
「しゃーねーなぁ愛はほんとによ」
立ち上がって、教卓に両手をついて青葉が叫ぶ。
「静粛に!放課後、愛お帰りパーティーを行う!皆の者、心に留めておくように!」
その瞬間、教室が雄叫びで揺れた。
――これがクラスの中心、瀬戸青葉。たった一言でクラスの統制をとるが、無理強いは絶対にしない。その行動力とリーダーシップを悪用しない。それが青葉があらゆる面でひっぱりだこな理由だ。
俺と愛は眉尻を下げてため息をつき、茉莉花は
「やったー!パーティーだパーティーだー!」
なんて言って飛び跳ね、はしゃいでいた。
「愛の無事帰還を祝して~?KP~!」
「「「「「「「「KP~!」」」」」」」
放課後、ジャンクフード店に集まった俺達のクラスは、「愛お帰りパーティー」なるものを催していた。
「なによ帰還って……」
愛は困惑の表情をしていたが、そこには嬉しさを隠しきれないのか笑みがこぼれていた。
「なあ、愛。これからは一年の頃みたいに一緒に登校したりとかできるのか……?」
青葉が期待と不安の眼差しを愛に向ける。
「勿論だよ!」
愛も花が満開に咲き誇ったような笑みでそれに応えた。
「そうか。……良かった」
青葉から偽りのない朗らかな笑みがこぼれた。