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その姿を見て、耀斗は驚愕した。
亮太が珠夏を拘束して現れた。
これでは火に油だ。
「今すぐ変化を解け! こいつがどうなってもいいのか!」
亮太が叫ぶ。
「やめろ、彼女を離して退け!」
耀斗は亮太に叫ぶ。が、亮太は離さない。珠夏は白虎となっている耀斗を見て恐怖に顔をひきつらせている。
「よくも珠夏を!」
紅羽は嘴から大量の炎を吐いた。
とっさによけた耀斗だが、炎が尻尾を焦がした。
「耀斗様!」
亮太が叫ぶ。
「命令だ! 珠夏さんを離せ!」
亮太はしぶしぶと言った様子で珠夏を離した。
紅羽はすぐさま変化を解いた。
珠夏に駆け付け、抱きしめる。
耀斗はほっとしてその様子を見ていた。
「ひどい目に遭ったわね。もう大丈夫よ」
紅羽は優しく珠夏の髪を撫でる。
「家に帰りたい」
珠夏は涙声で姉に訴えた。
「もちろん、帰るわ。その前に」
紅羽の目が凄みを帯びて黎羅をとらえた。
まずい。
耀斗は黎羅の前に飛び出す。
「やはりかばうのか!」
紅羽が再び鷹に変化した。
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「待って!」
珠夏は紅羽に手を伸ばした。
だが、高々と舞い上がった彼女に声も手も届かない。