秋が過ぎ、冬が来た。まだ誰にも言っていない。もう限界だった。団地の真ん中の公園で遺書を書いた。夕方には、人が多くなって未遂に終わった。
 春になった。未来が視えず、ずっと暗闇の中を彷徨っていた。私が生み出す物語だけが、私を私にしてくれた。ずっと、こうして物書きをしていれたらいいのに。何者にもなれない私は、彷徨い続ける。