今日もやることはやって、あとは勉強だけだ、と背伸びをしようと思った時、突如頭に痛みが走った。

意外と強い痛みに耐えようとするが、ゆっくりと地面へと倒れ込んでしまった。

くっそ、今はまだダメなのに。せめて、叶笑にあげるネックレスを選んでからじゃないと。

それに、あのあと、叶笑もクリスマスプレゼントを俺に渡したいって言ってくれた。

だから、今日はまだ病院に行っては行けないし、息絶えてしまってもダメだ。

そう思って、ベットまでゆっくりと歩き、そのまま眠りについた。そんな俺は、また、あの夢を見た。




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「陽斗っ!何で?私、こんなに綺麗なもの、もらえる資格なんてないっ」

切なげに歪む彼女の表情が、どこかで見た母の顔と似ていた。

最後に言わなければいけないことがある。これだけは言わないと、俺はきっと後悔するから。

「叶笑……



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 目覚ましの音で目が覚めた。俺はゆっくりと体を起こす。

頭を触ってみるけど、今はちっとも痛みを感じない。……今日が土曜日でよかった。

俺は急いでリビングに行き、慣れた手つきで食パンを取り出してそのまま齧る。

俺は目玉焼きやレタスといった具材は、本当に気がむくときしか乗せない。

何にも味付けはない状態でも、食パンって意外と美味しい。俺は、最近だったけどそれに気づいた。

食べ終わると、また部屋に戻り着替える。今から、大切な人へ、大切になるであろうものを買いに行く。


準備が終わると、誰もいない家にむかて「行ってきます」と、いつものように声をかけてから鍵を閉めた。



 …結構気まずいな。ネックレスって女子向けのコーナーにしか売っていない。

特に誰用ってわけでもないようなネックレスは、叶笑には到底似合わなさそうだった。

そこには女子高生やカップルばかりで、男が一人で来ているなんて珍しい、とでもいうような視線をさっきから感じる。

俺はそれに無視して、叶笑似合いそうなもの探す。



 俺がやっとで見つけたのは、この世には同じものなんて二度と生まれないだろうと思うようなものだ。

シンプルなデザインだけど、叶笑にぴったりな気がして、他のものよりも美しく儚いような気がして、俺はそれを買った。