叶笑の反応は面白かった。俺は真面目に告白したのに、そんな可愛らしい反応しちゃったら笑っちゃうじゃんか。
まぁ、我慢したけど。
「わ、私も陽斗のこと、好きだよ。でも、私と付き合ったっていいことなんてないよ。私、陽斗との記憶だけがなくなってくんだよ?」
「それでもいい。いやというほど、俺のこと思い出してもらうから。俺を感じてもらうから」
こんなにほおを染めたのは初めてなんじゃないか。きっと、俺のが初告白で余計に照れているのだろう。
かわいい。本当に可愛い。愛おしい。大好き。愛してる。
もう、愛の言葉が止まんない。
「俺たち、付き合うってことでいい?」
「わ、私でよければぜひ、付き合ってください」
上目遣いで見るのは反則だろ。でも、俺は今、めちゃくちゃ幸せだ。幸せすぎて心配になる。
その後、俺は家に帰った。ただ、俺の幸せはいとも簡単に崩れてしまうものだった。
いくら待っても帰ってこない。おかしい。これは絶対におかしい。
いつもなら仕事が長引く時は連絡をくれたし、こんなに遅くまで仕事が長引くなんてことは今までになかった。
今は午後二十三時四十九分。いつもは午後二十二時半くらいには帰ってきていたから、流石におかしくないか?
それから朝起きた時も、まだ父の姿はなかった。
会社に連絡をしようか迷っていた時、電話が鳴った。やけに不気味に聞こえたそれは、俺の予感を的中させてしまう。
「あ、もしもし。柳瀬陽斗様のお電話で間違いはないでしょうか」
「…あ、はい。そうです。間違い、ないです」
やけに感情のこもっていない男の人の声が聞こえた。それが、国民にとって良い態度だと言えるのだろうか。
その声で、どれだけの国民が不快に思うのか、本人はきっと知らないだろう。
ぶっきらぼうな声が、鼓膜に響く。
「大変申し上げにくいのですが、あなたのお父様と思われる人物が通り魔の被害に遭ってしまいました。朝までは体調も優れていて、ご本人も息子に会えないか、とのことでしたが……」
「ご報告、ありがとうございました。今からそちらへ向かいます」
……俺の願い事は、全て叶えてくれるほど優しい神様ではなかった。いや、俺がただの欲張りなだけかもしれないけど。
急いで家から飛び出す。確認しなければいけないことがあるのだ。
まぁ、我慢したけど。
「わ、私も陽斗のこと、好きだよ。でも、私と付き合ったっていいことなんてないよ。私、陽斗との記憶だけがなくなってくんだよ?」
「それでもいい。いやというほど、俺のこと思い出してもらうから。俺を感じてもらうから」
こんなにほおを染めたのは初めてなんじゃないか。きっと、俺のが初告白で余計に照れているのだろう。
かわいい。本当に可愛い。愛おしい。大好き。愛してる。
もう、愛の言葉が止まんない。
「俺たち、付き合うってことでいい?」
「わ、私でよければぜひ、付き合ってください」
上目遣いで見るのは反則だろ。でも、俺は今、めちゃくちゃ幸せだ。幸せすぎて心配になる。
その後、俺は家に帰った。ただ、俺の幸せはいとも簡単に崩れてしまうものだった。
いくら待っても帰ってこない。おかしい。これは絶対におかしい。
いつもなら仕事が長引く時は連絡をくれたし、こんなに遅くまで仕事が長引くなんてことは今までになかった。
今は午後二十三時四十九分。いつもは午後二十二時半くらいには帰ってきていたから、流石におかしくないか?
それから朝起きた時も、まだ父の姿はなかった。
会社に連絡をしようか迷っていた時、電話が鳴った。やけに不気味に聞こえたそれは、俺の予感を的中させてしまう。
「あ、もしもし。柳瀬陽斗様のお電話で間違いはないでしょうか」
「…あ、はい。そうです。間違い、ないです」
やけに感情のこもっていない男の人の声が聞こえた。それが、国民にとって良い態度だと言えるのだろうか。
その声で、どれだけの国民が不快に思うのか、本人はきっと知らないだろう。
ぶっきらぼうな声が、鼓膜に響く。
「大変申し上げにくいのですが、あなたのお父様と思われる人物が通り魔の被害に遭ってしまいました。朝までは体調も優れていて、ご本人も息子に会えないか、とのことでしたが……」
「ご報告、ありがとうございました。今からそちらへ向かいます」
……俺の願い事は、全て叶えてくれるほど優しい神様ではなかった。いや、俺がただの欲張りなだけかもしれないけど。
急いで家から飛び出す。確認しなければいけないことがあるのだ。