「あの、陽斗ありがとう」
「ん?何に対してのお礼?俺、何もしてない気がするけど」
「朝、私に勇気をくれたから……だから、ありがとう」
……何嬉しいこと言ってくれてんの?当たり前だよ。だって、
太陽に何かしらのエネルギーを渡さなかったら早いうちに消滅してしまうかもしれないから。
ずっと輝けるほどの力は、己自身だけじゃないはずだ。
きっと、他の星とかそれ以上の何かの支えがあってこそ、今の太陽があるものなんだ。
「俺は俺のやるべき役割を果たしているだけだよ。太陽の力になるのは当たり前のこと」
「た、太陽?そんな大袈裟な……冗談は置いといて?」
ちなみに、叶笑は他の取り巻きの彼女たちにいつの間に仲良くなってるの?と聞かれたらしいけど秘密、と答えたらしい。
(らしいの連呼になってごめん)
「ま、ちゃんと反論できているようで安心安心。成長成長!」
「もう、いいからやめてよ」
口調は置いといて、少なくとも俺の前では彼女が反論できているから嬉しい。
もう少し距離を縮められたらきっと、もっと気軽に反論できるんだろうな。
「あ、そうだ!ねぇ、叶笑って土曜日空いてる?」
「え、土曜日?な、なんで急に……」
「俺たちの試合があるんだけど、観に来て欲しいんだ」
彼女は少し戸惑ってはいたけれど、なんとか俺の要求を呑んでくれた。土曜日は俺たちと強豪校との試合だ。
情けない姿を見せることになるかもしれないけど、でも、それでも俺たちは勝ってみせる。何より、彼女が来てくれるから。
「俺の活躍、絶対に逃さないように目を離さないで」
「そ、そんなこと言って負けたらどうするの?」
彼女は微かに頬を赤らめらめながら意地悪なことを言う。
「大丈夫、絶対に勝ってみせる!あと、叶笑も反論出来ていて良き良き。この調子だよ?でも、ナメないでね?」
「別にナメてはないですけど?頑張ってくださいね?」
全く、可愛げがないように見せかけてのめちゃくちゃ可愛いのはなぜ?
笑っているところも、反論しているところも、全部全部が可愛い。……ん?可愛い?
いやいや、そんなはずは……なくもない。え、と言うことは、俺は叶笑のことが?
ブンブンと首を横に振ってしまったせいで、彼女が首を傾げてきた。何か話をしなければ……
「あ、そう言えば連絡先交換してもいい?何かあった時とかに連絡できた方が便利だから……」
言って後悔した。なんせ、彼女が青ざめた表情をしていたからだ。
「いや、別に無理にとは言ってないし、嫌なら嫌で全然いいんだけど……」
「あ、そうじゃなくて!陽斗が嫌だとかじゃなくて、ただ、実はスマホ持ってなくて……」
「あ、なんかごめん」
「いや、こちらこそ?ごめん」
最悪な空気感を生み出してしまったのは紛れもない俺自身だ。
気まずくなってしまったこの空気を元に戻すべく、必死に頭の中をフル回転させる。
……それにしても、今のご時世で中学二年生がスマホを持っていないのは驚きだ。
買いたくないのか、買わなくてもいいのか、買わせてもらえないのか、なんなのか……あ、そうじゃなくて!
違う話題を探せ、がんばれ俺!
「じ、実は、中学生になるときに私もスマホが欲しいって親に言った事があったんです。でも、高校までダメだと言われちゃいました」
彼女から言葉が吐き出される。しかも彼女に悲しそうな笑みを作らせてしまうことになった。
時間よ、巻き戻れ!と心の中で叫んでも意味はないのだけれど。
「少し前も聞いてみたんですけど、やっぱり無理で……前よりもきつく怒られちゃったからもう、反論すらできないんですよね」
「……さっきは失礼なこと聞いてごめん。でもさ、流石にそれは無いよね。厳しすぎる。なんなら叶笑の誕生日に俺が勝ってあげる!」
「いや、多分無理です。きっとすぐにバレてしまいます。貰ったと言っても、返してこいとか言われるので遠慮しときます。気持ちは嬉
しいけど……」
「分かった、考えておくよ。でもその前に叶笑、敬語になっちゃってるから直してね?」
「ん?何に対してのお礼?俺、何もしてない気がするけど」
「朝、私に勇気をくれたから……だから、ありがとう」
……何嬉しいこと言ってくれてんの?当たり前だよ。だって、
太陽に何かしらのエネルギーを渡さなかったら早いうちに消滅してしまうかもしれないから。
ずっと輝けるほどの力は、己自身だけじゃないはずだ。
きっと、他の星とかそれ以上の何かの支えがあってこそ、今の太陽があるものなんだ。
「俺は俺のやるべき役割を果たしているだけだよ。太陽の力になるのは当たり前のこと」
「た、太陽?そんな大袈裟な……冗談は置いといて?」
ちなみに、叶笑は他の取り巻きの彼女たちにいつの間に仲良くなってるの?と聞かれたらしいけど秘密、と答えたらしい。
(らしいの連呼になってごめん)
「ま、ちゃんと反論できているようで安心安心。成長成長!」
「もう、いいからやめてよ」
口調は置いといて、少なくとも俺の前では彼女が反論できているから嬉しい。
もう少し距離を縮められたらきっと、もっと気軽に反論できるんだろうな。
「あ、そうだ!ねぇ、叶笑って土曜日空いてる?」
「え、土曜日?な、なんで急に……」
「俺たちの試合があるんだけど、観に来て欲しいんだ」
彼女は少し戸惑ってはいたけれど、なんとか俺の要求を呑んでくれた。土曜日は俺たちと強豪校との試合だ。
情けない姿を見せることになるかもしれないけど、でも、それでも俺たちは勝ってみせる。何より、彼女が来てくれるから。
「俺の活躍、絶対に逃さないように目を離さないで」
「そ、そんなこと言って負けたらどうするの?」
彼女は微かに頬を赤らめらめながら意地悪なことを言う。
「大丈夫、絶対に勝ってみせる!あと、叶笑も反論出来ていて良き良き。この調子だよ?でも、ナメないでね?」
「別にナメてはないですけど?頑張ってくださいね?」
全く、可愛げがないように見せかけてのめちゃくちゃ可愛いのはなぜ?
笑っているところも、反論しているところも、全部全部が可愛い。……ん?可愛い?
いやいや、そんなはずは……なくもない。え、と言うことは、俺は叶笑のことが?
ブンブンと首を横に振ってしまったせいで、彼女が首を傾げてきた。何か話をしなければ……
「あ、そう言えば連絡先交換してもいい?何かあった時とかに連絡できた方が便利だから……」
言って後悔した。なんせ、彼女が青ざめた表情をしていたからだ。
「いや、別に無理にとは言ってないし、嫌なら嫌で全然いいんだけど……」
「あ、そうじゃなくて!陽斗が嫌だとかじゃなくて、ただ、実はスマホ持ってなくて……」
「あ、なんかごめん」
「いや、こちらこそ?ごめん」
最悪な空気感を生み出してしまったのは紛れもない俺自身だ。
気まずくなってしまったこの空気を元に戻すべく、必死に頭の中をフル回転させる。
……それにしても、今のご時世で中学二年生がスマホを持っていないのは驚きだ。
買いたくないのか、買わなくてもいいのか、買わせてもらえないのか、なんなのか……あ、そうじゃなくて!
違う話題を探せ、がんばれ俺!
「じ、実は、中学生になるときに私もスマホが欲しいって親に言った事があったんです。でも、高校までダメだと言われちゃいました」
彼女から言葉が吐き出される。しかも彼女に悲しそうな笑みを作らせてしまうことになった。
時間よ、巻き戻れ!と心の中で叫んでも意味はないのだけれど。
「少し前も聞いてみたんですけど、やっぱり無理で……前よりもきつく怒られちゃったからもう、反論すらできないんですよね」
「……さっきは失礼なこと聞いてごめん。でもさ、流石にそれは無いよね。厳しすぎる。なんなら叶笑の誕生日に俺が勝ってあげる!」
「いや、多分無理です。きっとすぐにバレてしまいます。貰ったと言っても、返してこいとか言われるので遠慮しときます。気持ちは嬉
しいけど……」
「分かった、考えておくよ。でもその前に叶笑、敬語になっちゃってるから直してね?」