君とのお別れは辛くなんてないよ。だって、どうせ君は俺のことを忘れてしまうんでしょう?

俺は君に最期の愛を捧げて死ぬよ。

だから、君は俺からの愛を受け取って生きていくんだ。

他の誰かと恋してもいいよ。だって、俺のことなんか忘れた方が都合がいいんでしょう?


 だけどね、好きだったよ。好きだよ。愛してるよ。

情けない秘密を打ち解けあったあの日から、何かが変わった。

ねぇ、君は俺に何をくれる?

もしも、俺のことを忘れないでくれるのなら、俺があげた愛を忘れてほしい。

仲が良かった男友達くらいに戻ろうよ。

だって、どうせ俺は死んでしまうんだから。


 俺は君との日々を忘れないから、君は忘れてもいいよ。

俺が全部覚えておくから、君は忘れてしまっても大丈夫。

またいつか、どこかで君と会ったら、その時は笑顔でこう言おう。

『初めまして』

と。