僕は昼が嫌いだ。
何もせず起きているのは疲れるくせに、窓から差し込む日光が全然眠らせてくれない。

 最後にベッドで心地よく眠れたのはいつの日だろうか、自分の記憶にすら残っていないのだから誰もわかるはずがない。
体感、25億年前くらいだろう。そんな馬鹿話を考えている今日この頃の僕、朝田陽茉莉(十六歳)は今日も学校へと足を運ぶ。

 僕は今、同性の彼女がいて、決して不幸せな毎日が続いているわけではない。ただ少し、息苦しいぐらいでどうってことない…はず。
教室のドアを開けると放たれる、この鈍色の空気は毎日僕から明るさを奪っていく。奪うというより侵食に近いかもしれないけれど。

 今日の五限目は僕が一番嫌いな学級活動の時間だ。来月に行くスキー合宿の班を決めたりするらしく、なんとも気乗りしない内容だ。
彼女の紫とはクラスが違うためどうせ同じ班にはなれないし、かといってクラスで自然に仲良くできるような友達も特にはいない。