「───··········」


周りが少し賑やかになってきたのを感じ、女の子は意識がだんだんはっきりしだす。

この檻がある部屋は薄暗くて、窓がないため、今が朝なのか、夜なのかわからない。

おそらく今は次の日の朝なのだろう。
昨日よりも見張りの人が多いような気がする。

そして昨日の黒ずくめの男の人が近づいてきた。


「今日から“113番”、それがお前の名前だ」


とだけ言われ、男はすぐにさっていった。
女の子は今日から113番と、番号で呼ばれるようになった。
 

ご飯は一日に一度、パンが配られる。
と言ってもほとんどが賞味期限きれのパン。

それに檻の隙間から投げられるので一度地面に着いたもの。

袋に入っている時もあれば、袋に入ってない生の状態の時もある。

それでも食べられるので、むしろみんなは喜んで食べていた。


女の子も少しずつ食べていた。

一日に一度しかない食事。

一日これで持つように大切に大切に。
一口一口しっかり噛んでゆっくり食べる。

少しでも味わうように。


そんな生活が続いた。