そしてその時は刻一刻と迫ってくる。
母親のことも片付いたし、もう桃子に危害を加えるものはいない。
父親はもう二度と桃子に合わないと黒神達と誓約書を交わした。
もし近づいたら、その時は·····。
でも、その必要もなさそうだった。
父親は黒神に殴られて、目が覚めたようだった。
離婚しようと言ったのも父親から。
黒神との契約書を書いている間もずっと桃子に謝ってばかりだった。
「どうかしていた。」
「すまなかった。」
「助けてやれなくて。」
「守ってやれなくて。」
「すまない。」
「すまない。」
と、何度も何度も、繰り返し繰り返し。
元々は真面目で、壊れてしまってからも毎日ちゃんと仕事には行っていた。
壊れていたから虐待した、なんて言い訳は通用しないが、本当にただただ壊れていただけ。
あの母親に支配されていただけ。