そのあと、赤宮、白洲、青葉が部屋の中に入ってきた。その声はちゃんとみんなに届いていた。
「はっ·····ン、はぁっ·····」
4人は一階から桃子を探しながら戦っていたので少し息が上がっていた。
「っお前の目的は?」
黒神がそう聞くと黒神のまえに1人の男が前に出てきた。
「よぉ、黒神ぃ〜」
「誰だ」
「俺は柏木晃(カシワギ アキラ)だ。」
「知らねー」
「依頼主がお前らに捕まってる子供を連れてこいって言っててなぁ。まぁでも、俺はそんな子供に興味なかったけどお前がどうやら可愛がってるようだったからな、利用させてもらった」
「俺たちはお前を倒して有名になるんだよ(ニヤ)」
ニヤニヤ口角を上げて気味の悪い笑みを浮かべる。
「いけッ!!」
柏木のその合図で柏木の後ろにいた男達がこちらに走ってくる。
「おりゃーーーッ!」(ガシャァァン!!)
(バゴッ!!)
「ぐっ·····」(バキッ!!)
「うぐッ·····くぅかぁぁッ」
いろんな音、声が鳴り響く。
「·····っ」
「くそッ、おい!! これが見えねーかぁ?」
このままだと負けると思った柏木は人質の桃子を掴み、桃子にナイフを近づけた。
「大人しくしろよぉ。このガキがどうなってもしらねーぞぉ」
黒神達は手を止めた。
「おい!お前ら立て!」
やられて倒れてる柏木の仲間の男達に命令する。
「·····っイッテェ」
「やられてんじゃねーよ」
そう言って桃子からやられてた仲間を見る柏木。
その一瞬を狙って桃子は黒神を見る。
「……」
その目線に気づいた黒神は何かを伝えようとしてることに気づく。
桃子は柏木にバレないように少し目線を下げて右手の人差し指で地面を指差していた。
黒神は少し首を傾げた。
しかし、すぐその意味に気づき、一瞬迷うが、時間がないとバレないように少し頷く。
「タクっ、使えねぇ。」
「で、俺たちはどうすればいい」
黒神はなんとかナイフを桃子から離そうと試みる。
「まずそこに跪け!そして俺の部下にしてくださいって言うんだ!」
またも気味悪く、ニヤニヤしながらそう命じる柏木。
もうすでに勝ちをものにしたかのように。
「っ·····」
みんなだまってしまう。
やらないと桃子がやられる。
でも、と葛藤していた。
そんなメンバーをよそに黒神はゆっくりしゃがみ片膝をつけた。
すると柏木は笑いながら
「ハハハ、いい気味だァ」
と言いながらナイフを黒神に向けた。
それで指さすかのように。
桃子はいまだ!と思い、肩に回されて掴まれてた男のうでから逃れるように、地面にしゃがむ。
男は突然腕の体重を支えていたものがなくなり、びっくりして転けそうになったとこを、片膝ついていた黒神がそのまま勢いよく男に飛びつく。
白洲達も驚きつつも、すぐに状況を読み桃子に駆け寄る。
黒神はこれでもかと柏木晃を殴った。
「·····っ·····んっ·····」
「も、もうやめ、てくれッ·····」
黒神に何発も殴られ、男は命声をする。
そんなの黒神が許すはずもないのだが。
「ももちゃん大丈夫?あっちは見たらだめだよ」
さっきまで散々桃子の見えるところで殴ってたりしてたのに、と思いつつも、白洲は桃子から黒神と柏木が見えないように立つ。
「ごめんな、怖かったな」
そう言って今度は青葉が桃子の耳を塞ぐ。
赤宮は手足を縛っていた紐をとき、桃子の手をニギニギして
「はぁ、よかったぁ·····」
と安心するように言っていた。
((もう二度と危ない目に合わせないって決めてたのに·····))4人は心の中でそう言っていた。