慣れないことをするものでは無いな。
熱だとわかった時、
こんな時どうすればいいか俺は知らない·····。
・
桃子は「ん〜んん〜」黒神の胸に頭をぐりぐりしながらひっついて離れない。
黒神はそれが可愛くてしょうがなかった。
人懐っこい子犬のような、いや、どちらかと言えば子猫のような。
黒神の膝の上で眠ってしまった桃子をスマホ片手にトントンして、その間に熱が出た時どうすればいいかをネットでずっと調べていた。
自分たちが熱を出しても、少し寝れば良くなるだろう、というくらいで、いつもと変わらず普通に仕事したりしている。
特別何かするわけではない。
しかし、桃子が熱を出したとあらば話は違う。
どうしたらいいのかわからない。
自分たちと違って体も弱い。
早く対処しなければ。
そして調べて出て来たのが·····
1.く寝る
2.消化にいいものを食べる
3.薬を飲む(⚠︎胃に食べ物が入っている時に)
4.水分をよく摂る
5.とにかくよく寝る!
などなどいろんなことが書いてあった。
黒神はそれを参考に部下に買い出しに行くよう命じて、青葉にはお粥を作るように言った。
1時間くらい経って黒神の腕の中で寝ている桃子が少し目を開ける。
桃子のおでこに手をあて、体温を確かめる。
先ほど調べた通りに飯を食べて薬を飲ませた。
薬を飲めば少しはよくなるだろう。
それより早くベットで寝かせた方がいいとおもい、今日はもう帰ることにした。
勿論桃子はずっと黒神が抱っこして移動する。
最初の頃に比べたらまだ重くなったが、まだまだ軽いな。もっと食わせた方がいいのか?
などと悶々と考えながら。
寝室で寝ている桃子のおでこに軽く触れるだけのキスをして俺も眠りについた。
久しぶりにぐっすり寝むれた。
次の日、
先に起きた黒神は桃子のおでこを触り熱を確かめる。
寝ているので体温が高いのだが昨日よりは下がったようだった。
桃子が目を覚ますまで寝る時と同じように黒神は桃子の手を離さず、桃子の寝顔を見ていた。
「ん·····」
視線を感じたか桃子は目を少し開けた。
「悪い、起こしたか?、体調はどうだ?」
「ん〜れん、くん·····?」
「そうだ」
桃子は昨日のことをほとんど覚えていないらしく、なぜ今自分が黒神と一緒に寝ているのかがわからない様子で首を傾げる。
「·····れんくんぎゅーする」
寝ぼけている桃子の甘えたモード発動。
「ん、おいで」と言って抱き寄せ、お互いの体温が気持ちよく、二度寝を始める2人。
二度寝から起きた時はもうお昼の時間だった。