アイは、何というかその、自己が強くて、自尊心が高くて、己がしっかりした、えーっと、極端な話、ナルシストと言うやつだった。ナルシズムな、人ということだ。ナルシズムとは、日本語に訳すと自己陶酔、自惚れというやつらしい。ナルシストにも2種類あるらしく、一つはポジティブな考え方をする自己肯定感が高い人で、もう一つは自信過剰な、逆に思い詰めてるパターンの人。アイがどちらかと言うと、前者であり後者と言うか、自分の素晴らしさに疑いを持たず、尚且つ、それを利用するタイプの人間だった。そう、自分の美貌を武器に気弱な男子を苛めるやつだ。憎めないやつとも言えるだろう。確かに可愛い。これは認めよう。事実だから。認めない方がおかしい。僕のドタイプだし。すまない、本題に戻るとしよう。可愛いのと同時に、不思議なやつでもあった。生徒手帳を見て、勝手にうちの生徒だと思っていたのだが、どうやら違ったらしい。うちの学校にアイという生徒は二人しかいないし、学級閉鎖だった2-1にはいないと言う。その事実に僕は安堵しながらも学校で会えないことに少し、残念だった。でも彼女は、いつも僕の下校時刻に、そこに、いた。いつも話ながら帰っているし僕は楽しいと感じていた。もちろん真も一緒だが、なぜだか、あまり話に参加してこなかった。そんな、いつもの下校時のこと。
「そっか。百々目木君はこの近くに住んでるんだ。」
「あぁ。近いからって理由でうちに決めたぐらいだからな。まぁ、大学は流石に徒歩じゃ通えないけどな。」
「じゃあ、まずは、通えるようにならないとね。大学。」
答えた質問に帰ってきたのは皮肉ぎみた物だったけれど。
「ご忠告痛み入るな。けど、お前はどうなんだ?確か、通えるように頑張らなくちゃいけない僕と、同じだった気がするんだが?」
「私は大丈夫だよ?陽音くんにはないものもあるしね。」
「僕に無いものって何だよ?」
あっけらかんと答えるアイに、まさか金、とでも言うつもりなのか、確かにそれだったら僕にはないけれども、と身構えたが
「こことか、こことか、ここもかな?」
平然と自分の胸部や、脚、その他僕の口では語れないものを指さすアイ。そのどれもが、確かに僕にはなかった。しかし僕には無いそれらは、
「お前もそんな無いだろ!言っちゃ悪いけどさぁ!」
アイの、身体は、何というかボディラインは綺麗だし、とても魅力的な肌をしているのだが、ボン
、キュッ、ボンッとは言えず、キュッ、キュッ
キュッって感じの皿洗いの音みたいな身体だった。
「はっきり言って、まな板じゃないのか?」
物凄く失礼なことを言ってる自覚はあったので、流石に怒るだろうと思っていたけど、
「フッフッフッ。甘い、甘いね、カカオゼロパーセントのチョコのように!」
思いの外怒っていなかった。というか、カカオゼロパーセントは、只の砂糖の塊だと思う。
「今、この世の中には、まな板を好む人々もいるんだよ?まな板はまな板でも、金を稼げるまな板なのさ!」
「金のなる板なんだな。」
「脱ぐ得きれない下位互換っぽさ!」
「木の方が大きくていいしな。」
「大きいの意味が違う気がするんだけど!?」
まさかの発見。まな板の対義語は木だったらしい。イヤ、こんな知能の低い話はどうでもいい。どうでもいいのか?仮にもアイの身体の話だから…
「あ、もう家やわ。また明日な学校でな。」
「お、おう。」
真の家は、僕の家の近くではないので、こうやって先に帰ってしまう。友達との別れをちょっぴり寂しく思いうと同時に、アイと二人っきりの状態に胸を高鳴らせるのがこの時間帯のルーティーンだった。だけれど今日は違う。今日は言わねばならない話があるのだから。そう己を奮い立たせて、僕は話しを始めた。
「あ、アイあのさ、今度ほら、花火大会あるだろ?えっと、だからな、」
「おやおやぁ?もしかして、デートのお誘いですか?金のなる板がお好みで?まったく、陽音くんはシャア何だから。」
「僕が3倍スピードのモビルスーツに乗る人になってないか?!と、というかちげぇよ?!ただ、真と二人で行くのじゃ暇だからな、二人より三人だろって、」
苦しい言い訳をする僕を見てアイは親指を立てた。
「分かりました。オーケーしてあげよう。もちろん、陽音くんが、金をならせてくれるんだよね?」
ならせるってどういう意味だ?いや、まさか、イヤイヤイヤ、そういう意味じゃあないよな?いやでも、さっきそういう話してたし、流れ的にはおかしくない。でも、ねぇ。
アイの言葉の意味が分からず、おどおどしている僕に、
「あ、奢れってことだからね。もしかしてそういうこと考えてたの?いやらしいなぁ。」
まったく、と言って、アイは帰ってしまった。あまりに一瞬の出来事で、僕は口を開けたまんまになってたけど、これは成功、でいいのだろうか。なんか遊ばれてるだけの気がする。ちなみに今日は結構長く一緒にいた方だ。アイは日によって帰る時間も道もまちまちというか、てんでバラバラなので、話を切り出すのに時間がかかってしまう僕はこの話をするのに三日もかかってしまった。イヤ、これは単純に僕がシャイなだけだと思う。3倍とは行かずとも、もうちょっと早く言い出せたらと僕は思ったのだった。
それから二週間が過ぎた。時間と言うのはあっという間に過ぎるもので、この二週間の間の記憶が一切ない。何にもなかったから仕方ないことなのだけれど。ここら辺で新しい人物が登場した方がいいんだろうが、ごあいにくさまそんな転校生どころか僕とアイの間にも発展がない。真が一緒に帰らなくなったぐらいだ。ここのところ塞ぎ混んでいるように見えるけれど何かあったのだろうか。そんなことを思いながら、
僕は今東京に来ている!それも、アイと一緒に!
いい忘れていたけれど、僕らの住んでいるところは東京だ。なら、なぜ東京に来たなんて言うのかというと、ど田舎だからだ!うん。このテンションつかれるな。やめよ。東京と言っても大都市から田舎まで色々ある。僕らが住んでいるのはその色々の端の端の隅っこの方で縮こまってる場所だ。存在感なぞまったく無い。皆無だ。だからこそ僕はこのデート(?)を成功させるしかないのだった。
「そっか。百々目木君はこの近くに住んでるんだ。」
「あぁ。近いからって理由でうちに決めたぐらいだからな。まぁ、大学は流石に徒歩じゃ通えないけどな。」
「じゃあ、まずは、通えるようにならないとね。大学。」
答えた質問に帰ってきたのは皮肉ぎみた物だったけれど。
「ご忠告痛み入るな。けど、お前はどうなんだ?確か、通えるように頑張らなくちゃいけない僕と、同じだった気がするんだが?」
「私は大丈夫だよ?陽音くんにはないものもあるしね。」
「僕に無いものって何だよ?」
あっけらかんと答えるアイに、まさか金、とでも言うつもりなのか、確かにそれだったら僕にはないけれども、と身構えたが
「こことか、こことか、ここもかな?」
平然と自分の胸部や、脚、その他僕の口では語れないものを指さすアイ。そのどれもが、確かに僕にはなかった。しかし僕には無いそれらは、
「お前もそんな無いだろ!言っちゃ悪いけどさぁ!」
アイの、身体は、何というかボディラインは綺麗だし、とても魅力的な肌をしているのだが、ボン
、キュッ、ボンッとは言えず、キュッ、キュッ
キュッって感じの皿洗いの音みたいな身体だった。
「はっきり言って、まな板じゃないのか?」
物凄く失礼なことを言ってる自覚はあったので、流石に怒るだろうと思っていたけど、
「フッフッフッ。甘い、甘いね、カカオゼロパーセントのチョコのように!」
思いの外怒っていなかった。というか、カカオゼロパーセントは、只の砂糖の塊だと思う。
「今、この世の中には、まな板を好む人々もいるんだよ?まな板はまな板でも、金を稼げるまな板なのさ!」
「金のなる板なんだな。」
「脱ぐ得きれない下位互換っぽさ!」
「木の方が大きくていいしな。」
「大きいの意味が違う気がするんだけど!?」
まさかの発見。まな板の対義語は木だったらしい。イヤ、こんな知能の低い話はどうでもいい。どうでもいいのか?仮にもアイの身体の話だから…
「あ、もう家やわ。また明日な学校でな。」
「お、おう。」
真の家は、僕の家の近くではないので、こうやって先に帰ってしまう。友達との別れをちょっぴり寂しく思いうと同時に、アイと二人っきりの状態に胸を高鳴らせるのがこの時間帯のルーティーンだった。だけれど今日は違う。今日は言わねばならない話があるのだから。そう己を奮い立たせて、僕は話しを始めた。
「あ、アイあのさ、今度ほら、花火大会あるだろ?えっと、だからな、」
「おやおやぁ?もしかして、デートのお誘いですか?金のなる板がお好みで?まったく、陽音くんはシャア何だから。」
「僕が3倍スピードのモビルスーツに乗る人になってないか?!と、というかちげぇよ?!ただ、真と二人で行くのじゃ暇だからな、二人より三人だろって、」
苦しい言い訳をする僕を見てアイは親指を立てた。
「分かりました。オーケーしてあげよう。もちろん、陽音くんが、金をならせてくれるんだよね?」
ならせるってどういう意味だ?いや、まさか、イヤイヤイヤ、そういう意味じゃあないよな?いやでも、さっきそういう話してたし、流れ的にはおかしくない。でも、ねぇ。
アイの言葉の意味が分からず、おどおどしている僕に、
「あ、奢れってことだからね。もしかしてそういうこと考えてたの?いやらしいなぁ。」
まったく、と言って、アイは帰ってしまった。あまりに一瞬の出来事で、僕は口を開けたまんまになってたけど、これは成功、でいいのだろうか。なんか遊ばれてるだけの気がする。ちなみに今日は結構長く一緒にいた方だ。アイは日によって帰る時間も道もまちまちというか、てんでバラバラなので、話を切り出すのに時間がかかってしまう僕はこの話をするのに三日もかかってしまった。イヤ、これは単純に僕がシャイなだけだと思う。3倍とは行かずとも、もうちょっと早く言い出せたらと僕は思ったのだった。
それから二週間が過ぎた。時間と言うのはあっという間に過ぎるもので、この二週間の間の記憶が一切ない。何にもなかったから仕方ないことなのだけれど。ここら辺で新しい人物が登場した方がいいんだろうが、ごあいにくさまそんな転校生どころか僕とアイの間にも発展がない。真が一緒に帰らなくなったぐらいだ。ここのところ塞ぎ混んでいるように見えるけれど何かあったのだろうか。そんなことを思いながら、
僕は今東京に来ている!それも、アイと一緒に!
いい忘れていたけれど、僕らの住んでいるところは東京だ。なら、なぜ東京に来たなんて言うのかというと、ど田舎だからだ!うん。このテンションつかれるな。やめよ。東京と言っても大都市から田舎まで色々ある。僕らが住んでいるのはその色々の端の端の隅っこの方で縮こまってる場所だ。存在感なぞまったく無い。皆無だ。だからこそ僕はこのデート(?)を成功させるしかないのだった。