かえでちゃんは小学1年生。
今日もお気に入りの水色のランドセルをしょって、元気に登校します。
学校に着いて、いつもと同じように机の上にランドセルをドン!と置いて、蓋をあけようとしていると、友達の奈々ちゃんが話しかけてきました。
「おはよう!かえでちゃん。ねぇ、昨日の話聞いた?」
「おはよう!えっ、昨日?なにかあったの?」
かえでちゃんは何のことやらさっぱりです。
「隣のクラスの颯汰くんのランドセルに、バッタが入ってたんだって。昨日公園で遊んでて、帰ったら入ったんだって!」
奈々ちゃんの話に、かえでちゃんはびっくりです!!
「ほんと!?どうやって入ったのかな?」
かえでちゃんは早速、颯汰くんに話を聞きに行きました。
「あぁ!実は公園で遊んでる途中でな、水筒のお茶を飲むのにランドセルを開けて、そのまま開けっ放しになってたんや。あっ!先生には言わんといてや!帰り公園で遊んでたなんてかぁちゃんに知れたら大変だかんな。」
かえでちゃんは、だからバッタが入ったんだ、なるほど〜と納得しました。
そして、学校が終わり、
「ただいま〜!」
かえでちゃんは、帰ってくるなりお母さんにその話をしました。
するとお母さんが言いました。
「そんなことがあったんだね、おもしろいね!あっ、どれどれ。かえでのランドセルにもなにか入っていたりするのかな?」
そしてお母さんはランドセルを開けようとしました。
「えっ!あっ!ダメ!!」
かえでちゃんは慌てて止めました。しかし時はすでに遅く、お母さんはランドセルの中を覗き込みました。
すると…
「なんじゃこりゃ〜!!!」
お母さんが、隣の家まで聞こえるほどの大きな声で叫びました。
かえでちゃんは「しまった!」と思いゆっくり後退りしてその場から立ち去ろうとしましたが、そこにお母さんの視線が刺さります。
「ちょい待ち!」
お母さんはランドセルの中身を出し始めました。
教科書やノートなどのの他に、
シワシワの紙(プリントなど)が5枚
シワシワのハンカチが4枚
使用済みマスクが3枚
折り紙のツルが2羽
そして、使用済み靴下が1足…の半分
「まぁ、大量だこと。」
ちなみに、水色の筆箱の中には丸くなった鉛筆が2本と、マジックが1本しか入っていません。
一通り中身を出して、お母さんが言いました。
「バッタが入ってるより、もっとびっくりだわ!!なんなん?このランドセル。」
かえでちゃんがビクビクして答えます。
「気がついたら、こんなふうになってて…」
すると、お母さんはシワシワのプリントをのばしながら言いました。
「実はお母さんも昔、小学校の机の中にシワシワのプリントをため込んでたんや。」
「えっ!お母さんも?」かえでちゃんは目を丸くして言いました。
「そう、なんか片づけられなくてね。でも、2年生のときに、熱が出て早退したんや。そんで、その時に担任の先生が、シワシワのプリントを一枚一枚伸ばして、連絡袋に入れてくれてね。嬉しかったんか、なるほどと思ったんか覚えてないけど、なぜかそれ以来プリントをシワシワにせず、真っ直ぐのまま持ち帰れるようになったんよ。」
「へぇ〜。」
とかえでちゃんが聞いていると、お母さんがシワシワの紙の中の一枚をかえでちゃんに見せて言いました。
「この絵、かえでが描いたの?」
「うんそうだよ!これはね、お母さんとかえでが踊っているところだよ」
「そうなんだ!とっても楽しそうだね。お母さんもかえでも、水色のドレスがよく似合ってるね。」
「そうでしょ?かえではお絵かきが得意だから」
お母さんはしばらく絵を見つめて、そして言いました。
「こんなステキな絵、シワシワじゃなくて、真っ直ぐな紙で見たかったな。」
かえでちゃんは、お母さんの横顔を見て
「ごめんね。」とつぶやきました。
それから1週間が経ちました。
颯汰くんは、ランドセルに入っていたバッタを、学校で友達と一緒に嬉しそうに飼っています。
そして、かえでちゃんは、ランドセルに真っ直ぐのプリントや絵をつめて、今日も元気に家に帰っていきます。
今日もお気に入りの水色のランドセルをしょって、元気に登校します。
学校に着いて、いつもと同じように机の上にランドセルをドン!と置いて、蓋をあけようとしていると、友達の奈々ちゃんが話しかけてきました。
「おはよう!かえでちゃん。ねぇ、昨日の話聞いた?」
「おはよう!えっ、昨日?なにかあったの?」
かえでちゃんは何のことやらさっぱりです。
「隣のクラスの颯汰くんのランドセルに、バッタが入ってたんだって。昨日公園で遊んでて、帰ったら入ったんだって!」
奈々ちゃんの話に、かえでちゃんはびっくりです!!
「ほんと!?どうやって入ったのかな?」
かえでちゃんは早速、颯汰くんに話を聞きに行きました。
「あぁ!実は公園で遊んでる途中でな、水筒のお茶を飲むのにランドセルを開けて、そのまま開けっ放しになってたんや。あっ!先生には言わんといてや!帰り公園で遊んでたなんてかぁちゃんに知れたら大変だかんな。」
かえでちゃんは、だからバッタが入ったんだ、なるほど〜と納得しました。
そして、学校が終わり、
「ただいま〜!」
かえでちゃんは、帰ってくるなりお母さんにその話をしました。
するとお母さんが言いました。
「そんなことがあったんだね、おもしろいね!あっ、どれどれ。かえでのランドセルにもなにか入っていたりするのかな?」
そしてお母さんはランドセルを開けようとしました。
「えっ!あっ!ダメ!!」
かえでちゃんは慌てて止めました。しかし時はすでに遅く、お母さんはランドセルの中を覗き込みました。
すると…
「なんじゃこりゃ〜!!!」
お母さんが、隣の家まで聞こえるほどの大きな声で叫びました。
かえでちゃんは「しまった!」と思いゆっくり後退りしてその場から立ち去ろうとしましたが、そこにお母さんの視線が刺さります。
「ちょい待ち!」
お母さんはランドセルの中身を出し始めました。
教科書やノートなどのの他に、
シワシワの紙(プリントなど)が5枚
シワシワのハンカチが4枚
使用済みマスクが3枚
折り紙のツルが2羽
そして、使用済み靴下が1足…の半分
「まぁ、大量だこと。」
ちなみに、水色の筆箱の中には丸くなった鉛筆が2本と、マジックが1本しか入っていません。
一通り中身を出して、お母さんが言いました。
「バッタが入ってるより、もっとびっくりだわ!!なんなん?このランドセル。」
かえでちゃんがビクビクして答えます。
「気がついたら、こんなふうになってて…」
すると、お母さんはシワシワのプリントをのばしながら言いました。
「実はお母さんも昔、小学校の机の中にシワシワのプリントをため込んでたんや。」
「えっ!お母さんも?」かえでちゃんは目を丸くして言いました。
「そう、なんか片づけられなくてね。でも、2年生のときに、熱が出て早退したんや。そんで、その時に担任の先生が、シワシワのプリントを一枚一枚伸ばして、連絡袋に入れてくれてね。嬉しかったんか、なるほどと思ったんか覚えてないけど、なぜかそれ以来プリントをシワシワにせず、真っ直ぐのまま持ち帰れるようになったんよ。」
「へぇ〜。」
とかえでちゃんが聞いていると、お母さんがシワシワの紙の中の一枚をかえでちゃんに見せて言いました。
「この絵、かえでが描いたの?」
「うんそうだよ!これはね、お母さんとかえでが踊っているところだよ」
「そうなんだ!とっても楽しそうだね。お母さんもかえでも、水色のドレスがよく似合ってるね。」
「そうでしょ?かえではお絵かきが得意だから」
お母さんはしばらく絵を見つめて、そして言いました。
「こんなステキな絵、シワシワじゃなくて、真っ直ぐな紙で見たかったな。」
かえでちゃんは、お母さんの横顔を見て
「ごめんね。」とつぶやきました。
それから1週間が経ちました。
颯汰くんは、ランドセルに入っていたバッタを、学校で友達と一緒に嬉しそうに飼っています。
そして、かえでちゃんは、ランドセルに真っ直ぐのプリントや絵をつめて、今日も元気に家に帰っていきます。