「一度休憩だ!」
何度目かのスケルトンを倒し終えて休憩となった。
倒したスケルトンの骨が地面に散乱していて一面白くなっている。
骨のせいで足場も悪くなってきているので若手や戦えない支援の人たちがザッと骨をほうきで片付けていく。
普通ダンジョンの魔物は魔力となって消えてしまうのだけど、ダンジョンブレイクで出てきた魔物はダンジョン産でありながら消えてしまわないのだ。
他の魔物なら片付けるのも大変だし血で剣などの切れ味管理も大変だっただろう。
そこらへんはスケルトンでよかったといえる。
軽く集めただけでも骨が山になる。
骨とはいうがダンジョン産のスケルトンだから骨のように見える何か、あるいはダンジョンに作り出された元は人じゃない人骨である。
仮にこの世界にDNA鑑定とかがあってあの骨を調べたらどうなるのかちょっと気になる。
人の骨なのだろうか、それとも違うのか。
人の骨と同じものでできてるけどDNAとかはないものなのだろうか。
現実的なのか、あるいは幻想的なのか分からない考えがぼんやり休憩していると頭に浮かぶ。
「みんなは大丈夫か?」
「まだまだ大丈夫だよ」
「骨ばっか相手にしてると飽きて疲れてきちゃうかな」
「老体には堪えますな」
リュードが声をかけると三者三様の答えが返ってくる。
みんな若干の疲れはありそうだけれどもまだ戦えそうだ。
気が滅入るような骨がぶつかる音を城壁の外に聞きながらリュードは渡された水を飲む。
「やばいぞ、西門が破られそうだ!」
時間はこのまま稼げそう。
スケルトンも弱くて敵ではないのでこのまま頑張って数を減らしていけば希望も見える。
そんな雰囲気をぶち壊す緊迫した報告が飛び込んできた。
「誰か西門の援護に回ってくれないか?」
息を切らせる冒険者が走ってきた。
慌ててこちらに来たのだろう、渡された水を一気に飲み干してその場にいる冒険者たちを見回す。
「何があってやられそうなんだ?」
1人2人の支援でいいのか、それとももっと人数が必要か。
話を聞かないことには状況がわからない。
どこもギリギリでやっているのでおいそれと人を回すこともできない。
「スケルトンナイトとスケルトンメイジが西門の方に回ってきやがった。スケルトンそのものは多くないんだが上級種がいきなり混じってきて油断してしまったんだ」
「西門は無事なのか?」
「とりあえず引き入れた分は倒したがケガ人もいる。それにまだ西門の方にはスケルトンナイトが何体か外にいるようなんだ」
「ならば俺が行こう!」
話を聞いていたレヴィアンが立ち上がる。
レヴィアンの実力ならスケルトンナイトに遅れをとることもない。
護衛たち一緒に行くので人がごっそり抜けてしまうのは痛手だけど、北門も無理をしなきゃ今の所問題はなさそうだし早めの対処が後々の安全につながる。
「助かる!」
「この町には詳しくないから案内してくれ」
「分かった。こっちだ!」
レヴィアンと護衛たちはすぐさま西門の方に向かっていった。
ああして真面目にしていると強いし気も使える良い男である。
リュードはこっそりと普段の軽い態度とは違うレヴィアンの無事を願っておく。
「よし、こっちも再開するぞ」
いつの間にか地面に転がった骨も全て退けられていた。
砕けた骨の粉で門の前はいまだにうっすらと白くなっているけれどそこまで掃除はしない。
西門の負担軽減のためにも長く休んではいられない。
「門を開けろ!」
「……あ、あれは!」
「デュラハンだ、デュラハンがいるぞ!」
門を開けるとスケルトンの大群の奥にデュラハンが見えた。
白い中に黒いデュラハンはとても目立って見えていて誰もがその存在に気がついた。
「何かしようとしているぞ!門を閉じるんだ!」
戦場を見守るようにも見えるデュラハンは持っていた剣を逆手に持って腕を振り上げた。
その様子に全員が嫌な予感がした。
「違う……ダメだ、門を閉じるな!」
リーダーとなっている冒険者の指示の下、何かをしようとしているデュラハンに対して門を閉じて防ごうとした。
しかしリュードはそれではダメだと直感が叫んでいた。
門を閉じてはいけないと叫ぶリュードに従うものは誰もいなかった。
「ヤバい……!」
門の向こうでデュラハンは目一杯腕を引き、門に向かって一直線に剣を投擲した。
デュラハンの黒い魔力をまとった剣が真っ直ぐに門に向かって飛んでいく。
門が閉じてしまった。
「リューちゃん!」
リュードは危険を察知して、門の中に流れ込んできたスケルトンをかき分けて前に出る。
重たい衝撃音がして、厚い木の大きな門が真ん中からへしゃげて折れていく。
デュラハンの一撃に門は耐えられなかった。
完全に門が叩き折られてデュラハンの剣が飛び込んでくる。
「させるか!」
剣を振り上げるリュード。
デュラハンの黒い剣とリュードの黒い剣とがぶつかり、黒い魔力と神聖力もぶつかり合い、重たい反発力がリュードの手にかかる。
「ナメるな……よ!」
門を破壊して威力を減じ、主人のいない剣に負けるわけにいかない。
全身に力を込めたリュードはデュラハンの剣に打ち勝ち、上空へと弾き上げることに成功した。
勢いよく空中に飛んでいったデュラハンの剣は落ちてくることはなく、空中でボロボロと崩れるように消えていく。
門を破壊してなお凄い力であった。
他の冒険者や聖職者の方に飛んでいってしまったら死者が出ていたかもしれないとんでもない破壊力がある一撃だった。
何度目かのスケルトンを倒し終えて休憩となった。
倒したスケルトンの骨が地面に散乱していて一面白くなっている。
骨のせいで足場も悪くなってきているので若手や戦えない支援の人たちがザッと骨をほうきで片付けていく。
普通ダンジョンの魔物は魔力となって消えてしまうのだけど、ダンジョンブレイクで出てきた魔物はダンジョン産でありながら消えてしまわないのだ。
他の魔物なら片付けるのも大変だし血で剣などの切れ味管理も大変だっただろう。
そこらへんはスケルトンでよかったといえる。
軽く集めただけでも骨が山になる。
骨とはいうがダンジョン産のスケルトンだから骨のように見える何か、あるいはダンジョンに作り出された元は人じゃない人骨である。
仮にこの世界にDNA鑑定とかがあってあの骨を調べたらどうなるのかちょっと気になる。
人の骨なのだろうか、それとも違うのか。
人の骨と同じものでできてるけどDNAとかはないものなのだろうか。
現実的なのか、あるいは幻想的なのか分からない考えがぼんやり休憩していると頭に浮かぶ。
「みんなは大丈夫か?」
「まだまだ大丈夫だよ」
「骨ばっか相手にしてると飽きて疲れてきちゃうかな」
「老体には堪えますな」
リュードが声をかけると三者三様の答えが返ってくる。
みんな若干の疲れはありそうだけれどもまだ戦えそうだ。
気が滅入るような骨がぶつかる音を城壁の外に聞きながらリュードは渡された水を飲む。
「やばいぞ、西門が破られそうだ!」
時間はこのまま稼げそう。
スケルトンも弱くて敵ではないのでこのまま頑張って数を減らしていけば希望も見える。
そんな雰囲気をぶち壊す緊迫した報告が飛び込んできた。
「誰か西門の援護に回ってくれないか?」
息を切らせる冒険者が走ってきた。
慌ててこちらに来たのだろう、渡された水を一気に飲み干してその場にいる冒険者たちを見回す。
「何があってやられそうなんだ?」
1人2人の支援でいいのか、それとももっと人数が必要か。
話を聞かないことには状況がわからない。
どこもギリギリでやっているのでおいそれと人を回すこともできない。
「スケルトンナイトとスケルトンメイジが西門の方に回ってきやがった。スケルトンそのものは多くないんだが上級種がいきなり混じってきて油断してしまったんだ」
「西門は無事なのか?」
「とりあえず引き入れた分は倒したがケガ人もいる。それにまだ西門の方にはスケルトンナイトが何体か外にいるようなんだ」
「ならば俺が行こう!」
話を聞いていたレヴィアンが立ち上がる。
レヴィアンの実力ならスケルトンナイトに遅れをとることもない。
護衛たち一緒に行くので人がごっそり抜けてしまうのは痛手だけど、北門も無理をしなきゃ今の所問題はなさそうだし早めの対処が後々の安全につながる。
「助かる!」
「この町には詳しくないから案内してくれ」
「分かった。こっちだ!」
レヴィアンと護衛たちはすぐさま西門の方に向かっていった。
ああして真面目にしていると強いし気も使える良い男である。
リュードはこっそりと普段の軽い態度とは違うレヴィアンの無事を願っておく。
「よし、こっちも再開するぞ」
いつの間にか地面に転がった骨も全て退けられていた。
砕けた骨の粉で門の前はいまだにうっすらと白くなっているけれどそこまで掃除はしない。
西門の負担軽減のためにも長く休んではいられない。
「門を開けろ!」
「……あ、あれは!」
「デュラハンだ、デュラハンがいるぞ!」
門を開けるとスケルトンの大群の奥にデュラハンが見えた。
白い中に黒いデュラハンはとても目立って見えていて誰もがその存在に気がついた。
「何かしようとしているぞ!門を閉じるんだ!」
戦場を見守るようにも見えるデュラハンは持っていた剣を逆手に持って腕を振り上げた。
その様子に全員が嫌な予感がした。
「違う……ダメだ、門を閉じるな!」
リーダーとなっている冒険者の指示の下、何かをしようとしているデュラハンに対して門を閉じて防ごうとした。
しかしリュードはそれではダメだと直感が叫んでいた。
門を閉じてはいけないと叫ぶリュードに従うものは誰もいなかった。
「ヤバい……!」
門の向こうでデュラハンは目一杯腕を引き、門に向かって一直線に剣を投擲した。
デュラハンの黒い魔力をまとった剣が真っ直ぐに門に向かって飛んでいく。
門が閉じてしまった。
「リューちゃん!」
リュードは危険を察知して、門の中に流れ込んできたスケルトンをかき分けて前に出る。
重たい衝撃音がして、厚い木の大きな門が真ん中からへしゃげて折れていく。
デュラハンの一撃に門は耐えられなかった。
完全に門が叩き折られてデュラハンの剣が飛び込んでくる。
「させるか!」
剣を振り上げるリュード。
デュラハンの黒い剣とリュードの黒い剣とがぶつかり、黒い魔力と神聖力もぶつかり合い、重たい反発力がリュードの手にかかる。
「ナメるな……よ!」
門を破壊して威力を減じ、主人のいない剣に負けるわけにいかない。
全身に力を込めたリュードはデュラハンの剣に打ち勝ち、上空へと弾き上げることに成功した。
勢いよく空中に飛んでいったデュラハンの剣は落ちてくることはなく、空中でボロボロと崩れるように消えていく。
門を破壊してなお凄い力であった。
他の冒険者や聖職者の方に飛んでいってしまったら死者が出ていたかもしれないとんでもない破壊力がある一撃だった。