「毎回毎回のことですが、ルールは簡単です。水に顔をつけて、息を止めるだけ! 1番長く息を止められたものがこの対決の勝者となります」
司会も言っちゃってるけど全体的にゆるゆるな競技。
ただ単に楽しいイベントなのだからいいのだけど。
息止め対決の出場者は早食いで出なかった方が出ることになっていた。
早食いでは男ばっかりだったので、息止め対決は女の子ばっかりになる。
リュードは早食いに出たのでルフォンがステージに上がる。
「ふっふっふっ、この息止めは私が1番得意な競技なのさ。圧倒的な実力の差を見せてあげるよ」
運命のいたずらかルフォンの隣はなんとエリザだった。
特に必要もないのにエリザは手首を回してみたりしてみせている。
威嚇しているつもり。
威嚇になってないけど。
これで水に潜ってください、とかいう勝負だったら絶対に勝てなかった。
水の入った容器に顔をつけて我慢するだけならルフォンでもなんとかいける。
「それでは息止め対決を始めます。用意はいいですか? ……始め!」
一斉に女の子たちが大きく息を吸い込んで顔を水につける。
「注目株は誰ですかね、バイオプラさん」
「これはねぇ、やっぱり去年の感じからいくとエリザさんかな?僕は個人的にルフォンさんを推しているけどね」
「なるほど、やはり優勝候補筆頭とも言われるエリザ、早食いでパートナーが頑張ったルフォンと言ったところが注目ですね」
「あとはやっぱり女の子が並んで頑張って息止めてるのを見るのはイイネ」
「危険な発言はお控えくださーい」
なんとなくスナハマバトルを見てる男性客が増えた中ルフォンは必死に息を止めた。
リュードもこの勝負の行方は分からない。
ルフォンがどれほどの肺活量を誇るのかリュードは知らないのだ。
泳げないので川遊びに積極的でなく、川までついてきてはいても横でジッと見ていたりしていた。
川に潜って息を止めたりなんてやったものだけど、ルフォンがそれに参加したのを見たことがなかった。
リュードや他の子も特に無理矢理やらせたりなんてこともなかった。
運動はするからそうした能力も低くはないだろうが、ルフォンの肺の能力は未知数であった。
頑張る女の子たちにオッサンの声援が飛ぶ。
バーナード・エリザペアには一定のファンがいるのかエリザを応援する声もある。
ルフォンに対しても応援する声は上がっていた。
エミナやヤノチも応援しているのだけど、オッサンたちにもルフォンを応援している人がいる。
最初の1人が顔を上げると続くようにして続々と脱落していく人が増えていく。
息を切らす女性は美しい、なんてバイオプラの声が聞こえたような気がしながら時間は過ぎていき応援にも熱が入ってくる。
ルフォンの隣の女の子が顔を上げた。
エリザの方ではなく、逆側の女の子。
「ここでまた1人脱落しましたー! 残るは2人、息止め対決一騎討ちとなりました。残っているのはバイオプラさん推薦のエリザとルフォンだぁ!」
なんと最後まで残ったのはルフォンとエリザ。
1つ前の早食いでリュードが死ぬ気で頑張ったのだからルフォンも死ぬ気で頑張った。
コポコポとルフォンの口から空気が漏れる。
「プハァ!」
体をよじるようにして我慢していたけれど限界が来た。
「ルフォン!」
限界まで耐えたルフォンは酸素不足でフラついた。
リュードは慌ててステージに上がってルフォンを支えるとゆっくりと下まで付き添う。
「リューちゃんゴメンね……勝てなくて」
「いいって、アレは……強すぎる」
ステージを見るとただ1人、エリザがまだ水に顔をつけていた。
全く微動だにせず、苦しそうな様子も見受けられない。
司会のウェッツォが止めてようやく顔を上げたエリザは息を切らすことなく、手を振って観客の声援に応えていた。
まだまだ余裕を感じされる顔をしている。
ルフォンも2位なので頑張った。
エリザの肺活量が異常に優れていただけの話で無理をすることはないのである。
ショボンと耳をたたむルフォンの頭を撫でてやる。
ルフォンが特別に息を止める鍛錬をしてきたでもない。
おそらくエリザはそうした練習をしてきたのだろう。
負けてもしかたないと言える圧倒的な実力であった。
バーナードとエリザはハイタッチを交わすと、バーナードがエリザの頬に軽くキスをする。
前回大会覇者はダテではなかった。
「息止め対決ではエリザが圧倒的な強さを見せつけてくれました。2位のルフォンもかなり健闘していましたね。さて、息を整えるために少し休憩しましたら次の競技に参りましょう」
体を動かす競技も多いので呼吸が苦しいまま次に行っては危ないこともある。
次の競技の準備などもあるのでしっかりと休憩を挟む。
「次の競技は旗取り! もうお分かりかと思いますがこのスナハマバトル難しいことはございません。この旗取りもひじょーにシンプルな競技でございます」
休憩が終わって次の競技の説明がされる。
「ルールの方、説明させていただきますよ。砂浜に旗がブッ刺してあるので、一斉に走って、それを取りに行く。旗を取って手にした者が勝者……うーん、わかりやすい!」
ビーチフラッグ。
そのまんまやないかいと突っ込みたくなる。
名前も旗取りなんてそのまんまだ。
心の中でそっと思う。
だがそれを思うのは回帰前の記憶があるリュードだけである。
この旗取りは男性部門、女性部門、ペア部門の3つで争うことになる。
司会も言っちゃってるけど全体的にゆるゆるな競技。
ただ単に楽しいイベントなのだからいいのだけど。
息止め対決の出場者は早食いで出なかった方が出ることになっていた。
早食いでは男ばっかりだったので、息止め対決は女の子ばっかりになる。
リュードは早食いに出たのでルフォンがステージに上がる。
「ふっふっふっ、この息止めは私が1番得意な競技なのさ。圧倒的な実力の差を見せてあげるよ」
運命のいたずらかルフォンの隣はなんとエリザだった。
特に必要もないのにエリザは手首を回してみたりしてみせている。
威嚇しているつもり。
威嚇になってないけど。
これで水に潜ってください、とかいう勝負だったら絶対に勝てなかった。
水の入った容器に顔をつけて我慢するだけならルフォンでもなんとかいける。
「それでは息止め対決を始めます。用意はいいですか? ……始め!」
一斉に女の子たちが大きく息を吸い込んで顔を水につける。
「注目株は誰ですかね、バイオプラさん」
「これはねぇ、やっぱり去年の感じからいくとエリザさんかな?僕は個人的にルフォンさんを推しているけどね」
「なるほど、やはり優勝候補筆頭とも言われるエリザ、早食いでパートナーが頑張ったルフォンと言ったところが注目ですね」
「あとはやっぱり女の子が並んで頑張って息止めてるのを見るのはイイネ」
「危険な発言はお控えくださーい」
なんとなくスナハマバトルを見てる男性客が増えた中ルフォンは必死に息を止めた。
リュードもこの勝負の行方は分からない。
ルフォンがどれほどの肺活量を誇るのかリュードは知らないのだ。
泳げないので川遊びに積極的でなく、川までついてきてはいても横でジッと見ていたりしていた。
川に潜って息を止めたりなんてやったものだけど、ルフォンがそれに参加したのを見たことがなかった。
リュードや他の子も特に無理矢理やらせたりなんてこともなかった。
運動はするからそうした能力も低くはないだろうが、ルフォンの肺の能力は未知数であった。
頑張る女の子たちにオッサンの声援が飛ぶ。
バーナード・エリザペアには一定のファンがいるのかエリザを応援する声もある。
ルフォンに対しても応援する声は上がっていた。
エミナやヤノチも応援しているのだけど、オッサンたちにもルフォンを応援している人がいる。
最初の1人が顔を上げると続くようにして続々と脱落していく人が増えていく。
息を切らす女性は美しい、なんてバイオプラの声が聞こえたような気がしながら時間は過ぎていき応援にも熱が入ってくる。
ルフォンの隣の女の子が顔を上げた。
エリザの方ではなく、逆側の女の子。
「ここでまた1人脱落しましたー! 残るは2人、息止め対決一騎討ちとなりました。残っているのはバイオプラさん推薦のエリザとルフォンだぁ!」
なんと最後まで残ったのはルフォンとエリザ。
1つ前の早食いでリュードが死ぬ気で頑張ったのだからルフォンも死ぬ気で頑張った。
コポコポとルフォンの口から空気が漏れる。
「プハァ!」
体をよじるようにして我慢していたけれど限界が来た。
「ルフォン!」
限界まで耐えたルフォンは酸素不足でフラついた。
リュードは慌ててステージに上がってルフォンを支えるとゆっくりと下まで付き添う。
「リューちゃんゴメンね……勝てなくて」
「いいって、アレは……強すぎる」
ステージを見るとただ1人、エリザがまだ水に顔をつけていた。
全く微動だにせず、苦しそうな様子も見受けられない。
司会のウェッツォが止めてようやく顔を上げたエリザは息を切らすことなく、手を振って観客の声援に応えていた。
まだまだ余裕を感じされる顔をしている。
ルフォンも2位なので頑張った。
エリザの肺活量が異常に優れていただけの話で無理をすることはないのである。
ショボンと耳をたたむルフォンの頭を撫でてやる。
ルフォンが特別に息を止める鍛錬をしてきたでもない。
おそらくエリザはそうした練習をしてきたのだろう。
負けてもしかたないと言える圧倒的な実力であった。
バーナードとエリザはハイタッチを交わすと、バーナードがエリザの頬に軽くキスをする。
前回大会覇者はダテではなかった。
「息止め対決ではエリザが圧倒的な強さを見せつけてくれました。2位のルフォンもかなり健闘していましたね。さて、息を整えるために少し休憩しましたら次の競技に参りましょう」
体を動かす競技も多いので呼吸が苦しいまま次に行っては危ないこともある。
次の競技の準備などもあるのでしっかりと休憩を挟む。
「次の競技は旗取り! もうお分かりかと思いますがこのスナハマバトル難しいことはございません。この旗取りもひじょーにシンプルな競技でございます」
休憩が終わって次の競技の説明がされる。
「ルールの方、説明させていただきますよ。砂浜に旗がブッ刺してあるので、一斉に走って、それを取りに行く。旗を取って手にした者が勝者……うーん、わかりやすい!」
ビーチフラッグ。
そのまんまやないかいと突っ込みたくなる。
名前も旗取りなんてそのまんまだ。
心の中でそっと思う。
だがそれを思うのは回帰前の記憶があるリュードだけである。
この旗取りは男性部門、女性部門、ペア部門の3つで争うことになる。