「「あ……」」


 傷一つない、売り物の本に伸ばした手がぶつかる。

 隣を見ると、今朝、バスで隣に立っていた男の子がいた。


「えっと、学校ぶり」


 つい十数分前まで、初めて入った教室で隣の席に座っていたのも彼だった。