ふたりぼっち同盟

図書館も相まってやけに小さく聞こえる。
こんなに、か細い声してたっけ?
そう思うのは俺だけだろうか。

俺から話し始めて、その後恵が話した。
2人とも同じようなことを考えていたなんて。
しかし気になったこともあった。
恵の声のトーンは明るいけど、
何か違う。

俺は時折思う時がある。
言葉の真意について理解出来ているのだろうか。

たぶん、今回もだ。
なにか気付かなきゃいけないことがある。

中学を振り返ったとき思い当たる点があった。

俺は逃げてばっかりだった。
ただこれは俺の問題だ。
なにか2人に共通することがあるはずだ。

たぶん、恵はもう気付いているだろう。

話したあとの目は前にはなかった光がある。
気がする。

まっすぐ見つめられる。
その目はなにかを懇願するような目だ。
断言できる。
なにか言わないと。

「これからも一緒だな。」

かっこ悪い。
ずっとそばにいるよ、とか男っぽいこと言ってやれよ俺。

「よろしくね。」

この言葉には含まれたなにかは、ないと思う。
このなにかを見つけないと。

タイムリミットは来年の3月。