ふたりぼっち同盟

私はあいつの中学校に中2で転校してきた。
中2はずっと本を読んで過ごした。
変わったのは中3の秋前。

あいつに出会ってからだ。

第一印象は真面目なやつ。だったかな。
授業はちゃんと受けるし、先生に頼み事されるくらいで。

少し話してみて思った。
話しやすい。
世の中にはいっぱいいるのかもしれないが今まで出会った人で1番話しやすかった。

その、、、いつから、好きだったとかはわからない。
これが恋愛の好きなのかもわからない。

あいつが私の好きなことをやろうとすることに気づいたのは、もう少したってからだった。

好きなアニメのキーホルダー付けてきたり、本読まなかったはずなのに読むようになったり。
国語の点数がと言っていたけれど、本心じゃないのではないかと私は思った。

私はそれを拒まなかった。
嫌、という感情は生まれなかった。
それよりもっと話したい。
知ってもらいたい。
と思うようになった。

変わったのは冬になってから。

教室中に冷やかされるようになった。
空気に飲まれ私はあいつと喋らなくなった。
中2のように。
でもひとつだけ違った。
とてもつまらなく、寂しかった。
話したい、遊んでみたい思ってることを口に出来たらどれほどよかっただろう。

それから入試を経て、私もあいつも合格。
その他の人は落ちたらしい。
それを知ったとき。
嬉しかった。話せると思った。
だけど何も変わっていない。目で追うだけの日々を過ごした。

その1年はたまらなくつまらなかった。
私のせいだと分かってるのに。

2年になって同じクラスだと知ったとき、声が出そうになった。
嬉しかった、話せると思った。

あの日のメール。

あれは目に焼き付いて離れない。


私の話を聞いてどう思うだろう。
全ては話せない。けれど許してほしい。

そばにいてほしい。と思う。