ふたりぼっち同盟

今年の夏休みは波乱万丈だった。
プールから始まり、美術館、記念館色んな所に連れ出された。
プールに関しては私なのだが。
その他は全部あいつだ。

プールの行きに聞かれた。
呼び方どうするか。
私もあいつも名前を呼ぶことは無かった。
たぶんどちらも、ねぇ、あの、とかで済ませていた。

私は誠司って呼ぶね。
そう言った。
本心呼べる気はしなかった。
だって恥ずかしいもん。

心の中でさえ、あいつって呼んでるし。

でも、名前を呼びたい、とは思う。
こんなことあいつには言えない。

それより気にしなくちゃ行けないのはプールに着いてから。

水着姿を見せるのが恥ずかしいと感じたのは、プールに着いた直後からだった。

着替えているとき、不安だったが大丈夫だろうと思っていた。
しかし予想は大ハズレ。

あいつがめっちゃ見てくるのだ。
恥ずかしすぎて逃げたくなった。
足はかけ始めていたと思う。

胸なしガリガリだからいいか、と思っていたが、そんなことも無いのか。

私のイメージでは男子はボンキュッボンと一定数は幼い子に興味を示すと思っていたのは間違い?

もしかして幼い子ってこと?
それはなんか嫌だった。
恥ずかしいだけで見ないで、と制止しなかったのは本心に従ったからなのかな。


気晴らしに図書館に来ている。
大学を目指すなら勉強しろ。と先生に言われてしまった。
中学の頃から勉強はする方だったが大学となると話は別。
あと1年半。どうすべきなんだろう。

小学生の時から読書が好きだった。
その時ゲームも初めてみた。
一概に上手とは言えないけど、読書してる時みたいに楽しいとは思う。

中学は…。やめよう、、、でも…

携帯を取り出す。

『下田誠司』

これを開くのは先週の水族館以来だ。
水族館って絶好のデートスポットだよね。
何も思ってなかったけれど、夏休みのほとんどデートしていた?
質問されたら否定できない。

『図書館に来て』

試しに打ってみた。
なんかあんまりかわいくない?

『図書館来れる?』

やっぱりやめようかな。

『今暇?』

なんとなくこれな気がした。
送信ボタンに触れる指が震えている。

「初めて、自分から誘ったの。」

小さい声で呟いた。
今と昔の違いが現れたように思う。
昔なら閉館時間まで勉強してるんだろうな。

『暇』

返信を読み次の文章を打つ。

あいつが来るまでは30分くらいか。
中学の頃の話をするんだ。
ファーストコンタクトが大事。

冷静にいこう。

中学の話を切り出した時、心臓の鼓動が聞こえてないか不安だった。


私は学ばなくちゃいけない。
今の、高校生になった私を。