ふたりぼっち同盟

もうそろそろ二学期か。
夏休みはそこそこ楽しかった、と思う。
夏が終わりに差し掛かっているというのにこの暑さは抜ける気がしない。

プールの後、2人で遊ぶことが多くなった。
海行ったり、水族館行ったり。
青春の2文字が詰まってそうな所にはあらかた行っただろう。

恵が誘ってきたのはプールと1回だけだ。
あの時から気になっていたがなんでまた急に誘ってきたんだ?
何か理由はないか。

『ピロン』

スマホが鳴る。

『佐々木恵』
『今暇?』

キタコレ。

『暇』

『じゃあ図書館来て。ちょっと会って話そ』

この人生で1番スピードが出ただろう。
支度を3分で済ませ、そこそこ遠い図書館に15分で着いた。

「早かったね。」

恵が言う。

「まあね。」
「でなに?」

ちょっと聞き方失敗したか?

「中学の時のこと振り返らない?」

「へ?」

予想をはるかに超えた内容だった。
まさか恵の方から中学時代を掘り返そうとするとは。

「え?だめ?」

そう聞かれた。
あたかも他人のような口ぶりだが、張本人であることを忘れたのか?
それとも恵にとってそれほどの問題でもなかったのか?
とにかく俺たち2人にとって中学の時のことを話すのは重要なのかもしれない。