3ヶ月は意外と早かった。
早かったのは何も無かったから。
私もあいつもずっと1人だった。


付き合ってるってなんだろうな。
図書館の勉強スペースでそんなこと考える。
デート誘ってみようかな?
そんな勇気私にはない。

「こんにちは。」

「っっあっはい。」

びっくりした。
急に話しかけてこないで。
心臓止まるって。

「佐々木恵さんですよね。」

「あっはい。」

この人あいつと話してたのを1度だけ見た。
不敵な笑みをしてた印象が強いんだけど。

「誠司どうですか?」

やっぱり。

「何も無いです。」

「ですよねーいっそプールにでも誘っちゃったらどうですか?」

この表情、前も見たな。
そんなことより、ビッグチャンス。

「あっはいそうですね。」

「またまたクールぶっちゃって。」

この人にはなんでもバレている気がする。
私の居場所知ってる時点で薄々感じていたけど。
あいつの友達というより、監視なのでは?
私が気にすることでもないけど、ちょっと心配。

「お気ずかいありがとうございます。」
「あなたも遊んだらどうですか?」

「確かに、独り身は辛いね。」

また笑った。
なんて言ったっけ?
ユウジだっけ?
この人には敵いそうにない。