秋
ついに引っ越す日が近づいてくる。
家の中にはダンボールが増えて、本当にこの場所からいなくなるってわかる。
「ななはぜったいにいや!」
どうにもならない事は、子どもながらにわかっていたがなんとか阻止できないかともがいてはいた。
引っ越すまで後2週間と迫る中、菜々美はふと学校帰りに思いついた事があった。
「なぁ、きょうはひみつきちいこうぜ。」
いつも一緒に帰る5~6人のグループは菜々美と友希以外は男子だった。
「ゆきはいかない!!ななちゃんとあそぶから」
「ななちゃんこないの?」
琢磨のそばにいたかあかくん(和弘)が言う。
「えっと…」
返事に困る菜々美に友希は
「ななちゃんとあそぶ!!」
「ななはゆかによわいから」
そう言って笑うひいくん(弘樹)が言う。
「わかった。ゆきちゃん、ななとあそぼう。あしたはひみつきちいこうね」
そう言ってその日はいつもの様にしていたが、夕方になると、家へ帰りたくなくて一人で秘密基地ヘ行った。もう、私はここに来れなくなる。そう思うと悲しくて涙がでて、一人でないた。
秘密基地は小学生が作っただけあって、ちょっとした山の洞窟に板を引いたり、ビニールシートひいたり、お互いの宝物がおいてあって、ドアっぽく板を立てかけてある。その中で泣くだけ泣いた。
「はなれたくない。いきたくない。」
もう、言ってもどうにもならないけど、一人で、誰にも見つからないここで泣きたかったのかもしれない。
いつの間にか泣き疲れて寝てしまった。気がついたら外が暗くなっていた。
しばらくぼんやりしていたら、足音がした。
そして、板が外されると
「ななぁ!!やっぱりここにいた。おばさんたちがしんぱいしてるよ。」
「たっくん。なな、ひっこしたくない。たっくんとはなれたくない。」
そう言って泣けばたっくんがぎゅってしてくれた。
「なな。がいなくなるのはおれもいやだ。でも、おかあさんがあそびにつれていってくれるっていってた。だからあえるよ。」
「ほんと?あえるの?」
「うん。なな。かえろ。」
たっくんと手を繋いで帰る。
「たっくんはなんでなながあそこにいるのわかったの?」
「おばさんがまだ帰ってないっていってうちきた。そんで、ゆきにきいたら、なながへんだった。っていったの。ゆきはきっとなながないてる。っておしえてくれた。だからここだって」
「あっ!ななちゃん」
団地の入り口にお母さんや友希ちゃん、たっくんのお母さん達がいた。実際は夜七時ぐらいだったからそこまで大事にはなってなかった。
お母さんが、抱きしめながら
「おかえり。冒険は楽しかった?」
「うん。ごめん」
「ななちゃん」
友希が抱きついてくれ思わず
「ゆきちゃんだいすき。たっくんもだいすき」
そう言ってしまった。二人が本当に近い存在でお互い大切な友達だった。
今思えばたっくんが初恋だったかもしれない。
ついに引っ越す日が近づいてくる。
家の中にはダンボールが増えて、本当にこの場所からいなくなるってわかる。
「ななはぜったいにいや!」
どうにもならない事は、子どもながらにわかっていたがなんとか阻止できないかともがいてはいた。
引っ越すまで後2週間と迫る中、菜々美はふと学校帰りに思いついた事があった。
「なぁ、きょうはひみつきちいこうぜ。」
いつも一緒に帰る5~6人のグループは菜々美と友希以外は男子だった。
「ゆきはいかない!!ななちゃんとあそぶから」
「ななちゃんこないの?」
琢磨のそばにいたかあかくん(和弘)が言う。
「えっと…」
返事に困る菜々美に友希は
「ななちゃんとあそぶ!!」
「ななはゆかによわいから」
そう言って笑うひいくん(弘樹)が言う。
「わかった。ゆきちゃん、ななとあそぼう。あしたはひみつきちいこうね」
そう言ってその日はいつもの様にしていたが、夕方になると、家へ帰りたくなくて一人で秘密基地ヘ行った。もう、私はここに来れなくなる。そう思うと悲しくて涙がでて、一人でないた。
秘密基地は小学生が作っただけあって、ちょっとした山の洞窟に板を引いたり、ビニールシートひいたり、お互いの宝物がおいてあって、ドアっぽく板を立てかけてある。その中で泣くだけ泣いた。
「はなれたくない。いきたくない。」
もう、言ってもどうにもならないけど、一人で、誰にも見つからないここで泣きたかったのかもしれない。
いつの間にか泣き疲れて寝てしまった。気がついたら外が暗くなっていた。
しばらくぼんやりしていたら、足音がした。
そして、板が外されると
「ななぁ!!やっぱりここにいた。おばさんたちがしんぱいしてるよ。」
「たっくん。なな、ひっこしたくない。たっくんとはなれたくない。」
そう言って泣けばたっくんがぎゅってしてくれた。
「なな。がいなくなるのはおれもいやだ。でも、おかあさんがあそびにつれていってくれるっていってた。だからあえるよ。」
「ほんと?あえるの?」
「うん。なな。かえろ。」
たっくんと手を繋いで帰る。
「たっくんはなんでなながあそこにいるのわかったの?」
「おばさんがまだ帰ってないっていってうちきた。そんで、ゆきにきいたら、なながへんだった。っていったの。ゆきはきっとなながないてる。っておしえてくれた。だからここだって」
「あっ!ななちゃん」
団地の入り口にお母さんや友希ちゃん、たっくんのお母さん達がいた。実際は夜七時ぐらいだったからそこまで大事にはなってなかった。
お母さんが、抱きしめながら
「おかえり。冒険は楽しかった?」
「うん。ごめん」
「ななちゃん」
友希が抱きついてくれ思わず
「ゆきちゃんだいすき。たっくんもだいすき」
そう言ってしまった。二人が本当に近い存在でお互い大切な友達だった。
今思えばたっくんが初恋だったかもしれない。