そして松浦は佐伯が入院している病院にいた。
(次こそは……)
佐伯の病気を必ず治すぞという強い気持ちを思いながら病室入っていた。
「佐伯さん元気にしている?」
「あなたはたしか……」
「松浦くん?どうしてここに?」
「いや、先生から佐伯さんが病気で入院しているって聞いて心配だから来たよ」
「それでお見舞いでこれ持ってきたから」
一週目と二週目と同じくりんごを持ってきた。
「ありがとう松浦くん、わざわざ持ってきてくれて」
そして松浦はりんご剥き出しそのりんご二人で食べながら話し合った。
「学校のみんなは元気?」
「元気だよ、そういえば佐伯さんと仲がいい倉本さんも心配していたよ」
「そうなんだ、由衣に会いたいな、でも部活のテニスで忙しいだろうな」
佐伯は寂しそうな表情でそう言った。
「まあテニス部はもうすぐ大会があるから練習で忙しいかもね」
それから話は文化祭の話になった。
「そういえばもうすぐ文化祭でしょ、準備とかしているの?」
「しているよ、うちのクラスは演劇をやることになった」
松浦はそう言うとスマホを取り出しクラスのみんな楽しそうに文化祭の準備している写真を佐伯に見せようとしたがやめたのだ。
(みんなが楽しそうな写真見せちゃうと気分を下げさせるかもしれないからやめとこう)
次の日、また佐伯の病室へやってきた。
「佐伯さん、また来たよ」
「今日も来たの」
佐伯は驚いた表情をした。
「佐伯さんって〇〇漫画が好きってクラスの人に聞いたんだけど本当?」
「そうだね」
「じゃあ〇〇っていう漫画知っている?」
「知っている!私好きだよその漫画!〇〇という雑誌で連載されているよね!」
「俺も好き!とくに〇〇のキャラが好きで……」
その後、松浦と佐伯は会話が弾むように話しあっという間に時間が過ぎっていった。
「じゃあそろそろ帰るわ」
「じゃあね」
松浦は病院が帰る途中、こんなこと思った。
(前回は勉強に後れをとらないようにノートを持っていったけど佐伯さん本人は早く死にたいと思っているからノートを持って来られて教えられても無駄と思っていそうでいい思いはしていなさそうだから持っていかなくてよかったよな)
それから松浦は毎日、病室に通い佐伯の大好きなキャラのストラップや漫画の新刊をプレゼントしたりとしたり母親が死に父子家庭で育てられたことなど共通の話題を話し合ったりしていると佐伯は親近感が湧いていった。
そんなある日。突然、佐伯は松浦にこんなことを言ってきた。
「なんで松浦くんは毎日、私の所にわざわざ来てくれるの?」
「佐伯さんが好きだから」
(あっ言っちゃった)
松浦は佐伯に好きと言うはずなかったがつい佐伯への好きという思いが強いすぎて言ってしまった。
「ふーん、そうなんだ。私のどこが好きなの?」
「笑顔が素敵な所です」
松浦はそう言ったことで恥ずかしくなり用事を思い出したといい病室を急いで出て行った。
佐伯は松浦にそう言われてこう思った。
(松浦くんは私のこと好きなのか、私は松浦くんのこと友達として見ているけど)
その後、毎日病室に行きそんなある日、松浦が病室に入ると佐伯が調子悪そうなことに気付く。
「佐伯さん、調子悪そうだけど大丈夫?」
「大丈夫……」
抗がん剤治療の副作用で苦しんでいる佐伯は松浦の来てくれたことにホッとした表情を見せてこう言った。
「本当に松浦くんが来てくれてよかった」
「辛い時に親しい人が来てくれると元気出るよ」
そして松浦はこんな質問をした。
「他にお見舞いに来てくれる人はいるの?」
「いない、父親は仕事で忙しいし友達もテニスの大会などで忙しいからね」
「そうなんだ」
そう返答がきた松浦はこう思った。
(これは新しい情報だな。俺以外誰も来てくれないのは心細いよな、そりゃ早く死にたくなるわ)
それから一週間後、松浦はいつも通り病室にきた。
「松浦くん、こんにちは」
「こんにちは佐伯さん、でも今日は俺だけじゃないよ」
そう言うとある人たちが病室に入ってきた。
「楓、元気か?」
それは楓の父親。
「楓ちゃん大丈夫?」
「元気?」
それと楓の友達たちだ。
「わあ、来てくれたの!」
佐伯は久しぶりに父親と友達に会えて心弾んでとびっきりの笑顔をしていて松浦は今まで見たことがない表情だと思った。
病室はにぎやかになり話が途切れることはなった。
会話しているうちに夕方になり父親や友達は帰っていった。
「松浦くん、わざわざ連れてきてくれてありがとう」
松浦はその言葉に満足した。
「そうだ、佐伯さんにプレゼントがあるんだ」
カバンから出したのはあの神様にもらった瓶に入った秘薬だ。
「それ何?」
「栄養ドリンクだよ、飲んでみて」
「ふーん、そうなんだ」
佐伯はその秘薬を一気飲みした。
「なんか、不思議な味だね」
それから話題はこんな話になった。
「松浦くん、生まれ変わったら何になりたい?」
「俺は猫かな。自由で良さそうじゃん、人間みたいに働かなくていいし」
「私は人間だね、いろんなことができるからね」
そうして松浦は夕方で日が暮れそうなので帰っていき帰り道、松浦はこう思っていた。
(佐伯さんは死にたいと思っているのかな、見た感じだとそうは思ってはなさそうだけど)
ある日、松浦は今日もお見舞いしようとの病室の前に来ており中に入ると佐伯が本を読んでいた。
「こんにちは、佐伯さん。本読んでいるの?」
「うん、昔から本が好きでよく小説を読んでいたんだ」
「それで誰にも言っていなかったけど自分でも小説を書いていた時期があって将来の夢は小説家だったんだ、だけど他人に書いたものを見せるのが恥ずかしくてなるのをあきらめちゃった」
佐伯にそう言われ松浦はこう思った。
(へえ、佐伯さんが小説家を目指していたのか、初めて知った)
そして松浦はひらめいた。
(佐伯さんに夢であった小説家になることを目標にすれば強く生きたいと思うかも……)
「佐伯さんの書いた小説見てみたいな、書いてみてよ」
「いや恥ずかしいからちょっとな……」
佐伯は困った表情をしたが松浦が「どうしても見たい」と強くお願いするとこう言った。
「まあそこまでお願いするならいいよ、それに暇だしね」
次の日、病室に来ると佐伯はスマホで書いた短編小説を書き終わっていた。
さっそく松浦はその小説を読んでいると佐伯は恥ずかしくて下を向いていた。
数十分後、読み終わり佐伯にこう言った。
「心理描写がうまく書けていておもしろいよ」
「そう、ありがとう」
松浦は本当に佐伯が書いた小説がおもしろいと思ったのだ。
(これはマジで小説家の才能があると思うな)
そして佐伯にある提案する。
「この小説さ、ネットに投稿してみようよ」
佐伯は数分を迷った末、松浦がおもしろいと言ってくれたのもあって思い切って投稿した。
そして次の日、病室で松浦と佐伯は小説を投稿したサイトを観てみるとたくさんの閲覧数とコメントが付いており好評だったのだ。
それで佐伯にまたある提案する。
「佐伯さん、小説家を目指してみたら、絶対才能あると思うよ」
だが佐伯はあまり乗る気ではなかった。
「私はまだおもしろい小説を書く自信が無い」
「でもネットに上げた小説が高評価だったじゃん、佐伯さんならおもしろい小説書けるよ」
「それに小説家になることが夢だったんでしょ、絶対目指した方がいいって!」
松浦はそう佐伯に強く訴えると考えとくと言いその日に決断はしなかった。
それから松浦は病院からの帰り道、こう思っていた。
(小説家を目指すように促したけど佐伯さんは目指す気になるかな)
冬の厳しい寒さの中、そのことが気になりながらとぼとぼ帰っていった。
一週間後、病室にいた松浦は佐伯が突然こう言ってきた。
「私、小説の賞に受かったら小説家を目指そうかな」
松浦はいきなり言ってきたので驚くと同時にガッツポーズをしてこう思った。
(これで賞でも取って自信がつけば夢である小説家になるという目標ができて強く生きたいと思える理由になるかもな)
それから佐伯は賞に送る小説を執筆し出し松浦が来る日も来る日も夢中になってやっていてそんな姿を見ていた松浦はこう言った。
「よくスマホで小説書けるよね。パソコンの方がやりやすくない?」
「いや私、ローマ字打てないから」
松浦はその返答に驚いた。
(ローマ字打てない人いるんだ……)
その後、佐伯が夢中になりながら執筆を続けていたが日付を過ぎていくにつれ容態が悪くなっていき小説が書けない日も増えてきた。
(タイムリミットが近づいてきているな)
日に日に佐伯が痩せ細っていき死期が近づいていることがわかった。
ある日、松浦と佐伯は病室で会話をしていた突然、佐伯の容態が急激に悪くなり松浦はすぐに医師を呼んで容態を見てもらうとこう言われた。
「佐伯楓さんは危篤状態ですね」
「そんな……」
松浦はショックのあまり足が崩れた。
佐伯に秘薬を飲ませ強く生きたい思わせることができそうな状況だったが危篤状態になりもう小説を完成させることは困難だと思った。
それから次の日の朝方に佐伯は楓の父親や友達、そして松浦に見守れながら帰らぬ人となった。
病院の帰り道一人で帰っているとあの人物に声をかけられる。
「佐伯楓を助けられなかったな」
「三回目はいい所までいったんじゃがな」
神様がそう松浦に話しかけるがショックのあまり言葉を返すことができなかったが次のある神様の言葉に飛びつく。
「過去に戻りやり直しができるのは三回までじゃが特別にもう一回チャンスをやろう」
「それは本当か?神様」
顔近づけながらそう言うと難しい顔をしながら神様はこう言った。
「じゃが条件があってな、大きな代償を払わなければいけないじゃが……」
「俺はどんな条件でも大丈夫、佐伯さんを救えれば」
神様はその条件を松浦に話すと迷うことなくその条件をのみ、もう一回だけチャンスをくれることになった。
「泣いても笑ってもこれが最後じゃ」
「それじゃあ行くぞ、やり直し開始じゃ」
そして二人は過去にまた戻っていった。
(次こそは……)
佐伯の病気を必ず治すぞという強い気持ちを思いながら病室入っていた。
「佐伯さん元気にしている?」
「あなたはたしか……」
「松浦くん?どうしてここに?」
「いや、先生から佐伯さんが病気で入院しているって聞いて心配だから来たよ」
「それでお見舞いでこれ持ってきたから」
一週目と二週目と同じくりんごを持ってきた。
「ありがとう松浦くん、わざわざ持ってきてくれて」
そして松浦はりんご剥き出しそのりんご二人で食べながら話し合った。
「学校のみんなは元気?」
「元気だよ、そういえば佐伯さんと仲がいい倉本さんも心配していたよ」
「そうなんだ、由衣に会いたいな、でも部活のテニスで忙しいだろうな」
佐伯は寂しそうな表情でそう言った。
「まあテニス部はもうすぐ大会があるから練習で忙しいかもね」
それから話は文化祭の話になった。
「そういえばもうすぐ文化祭でしょ、準備とかしているの?」
「しているよ、うちのクラスは演劇をやることになった」
松浦はそう言うとスマホを取り出しクラスのみんな楽しそうに文化祭の準備している写真を佐伯に見せようとしたがやめたのだ。
(みんなが楽しそうな写真見せちゃうと気分を下げさせるかもしれないからやめとこう)
次の日、また佐伯の病室へやってきた。
「佐伯さん、また来たよ」
「今日も来たの」
佐伯は驚いた表情をした。
「佐伯さんって〇〇漫画が好きってクラスの人に聞いたんだけど本当?」
「そうだね」
「じゃあ〇〇っていう漫画知っている?」
「知っている!私好きだよその漫画!〇〇という雑誌で連載されているよね!」
「俺も好き!とくに〇〇のキャラが好きで……」
その後、松浦と佐伯は会話が弾むように話しあっという間に時間が過ぎっていった。
「じゃあそろそろ帰るわ」
「じゃあね」
松浦は病院が帰る途中、こんなこと思った。
(前回は勉強に後れをとらないようにノートを持っていったけど佐伯さん本人は早く死にたいと思っているからノートを持って来られて教えられても無駄と思っていそうでいい思いはしていなさそうだから持っていかなくてよかったよな)
それから松浦は毎日、病室に通い佐伯の大好きなキャラのストラップや漫画の新刊をプレゼントしたりとしたり母親が死に父子家庭で育てられたことなど共通の話題を話し合ったりしていると佐伯は親近感が湧いていった。
そんなある日。突然、佐伯は松浦にこんなことを言ってきた。
「なんで松浦くんは毎日、私の所にわざわざ来てくれるの?」
「佐伯さんが好きだから」
(あっ言っちゃった)
松浦は佐伯に好きと言うはずなかったがつい佐伯への好きという思いが強いすぎて言ってしまった。
「ふーん、そうなんだ。私のどこが好きなの?」
「笑顔が素敵な所です」
松浦はそう言ったことで恥ずかしくなり用事を思い出したといい病室を急いで出て行った。
佐伯は松浦にそう言われてこう思った。
(松浦くんは私のこと好きなのか、私は松浦くんのこと友達として見ているけど)
その後、毎日病室に行きそんなある日、松浦が病室に入ると佐伯が調子悪そうなことに気付く。
「佐伯さん、調子悪そうだけど大丈夫?」
「大丈夫……」
抗がん剤治療の副作用で苦しんでいる佐伯は松浦の来てくれたことにホッとした表情を見せてこう言った。
「本当に松浦くんが来てくれてよかった」
「辛い時に親しい人が来てくれると元気出るよ」
そして松浦はこんな質問をした。
「他にお見舞いに来てくれる人はいるの?」
「いない、父親は仕事で忙しいし友達もテニスの大会などで忙しいからね」
「そうなんだ」
そう返答がきた松浦はこう思った。
(これは新しい情報だな。俺以外誰も来てくれないのは心細いよな、そりゃ早く死にたくなるわ)
それから一週間後、松浦はいつも通り病室にきた。
「松浦くん、こんにちは」
「こんにちは佐伯さん、でも今日は俺だけじゃないよ」
そう言うとある人たちが病室に入ってきた。
「楓、元気か?」
それは楓の父親。
「楓ちゃん大丈夫?」
「元気?」
それと楓の友達たちだ。
「わあ、来てくれたの!」
佐伯は久しぶりに父親と友達に会えて心弾んでとびっきりの笑顔をしていて松浦は今まで見たことがない表情だと思った。
病室はにぎやかになり話が途切れることはなった。
会話しているうちに夕方になり父親や友達は帰っていった。
「松浦くん、わざわざ連れてきてくれてありがとう」
松浦はその言葉に満足した。
「そうだ、佐伯さんにプレゼントがあるんだ」
カバンから出したのはあの神様にもらった瓶に入った秘薬だ。
「それ何?」
「栄養ドリンクだよ、飲んでみて」
「ふーん、そうなんだ」
佐伯はその秘薬を一気飲みした。
「なんか、不思議な味だね」
それから話題はこんな話になった。
「松浦くん、生まれ変わったら何になりたい?」
「俺は猫かな。自由で良さそうじゃん、人間みたいに働かなくていいし」
「私は人間だね、いろんなことができるからね」
そうして松浦は夕方で日が暮れそうなので帰っていき帰り道、松浦はこう思っていた。
(佐伯さんは死にたいと思っているのかな、見た感じだとそうは思ってはなさそうだけど)
ある日、松浦は今日もお見舞いしようとの病室の前に来ており中に入ると佐伯が本を読んでいた。
「こんにちは、佐伯さん。本読んでいるの?」
「うん、昔から本が好きでよく小説を読んでいたんだ」
「それで誰にも言っていなかったけど自分でも小説を書いていた時期があって将来の夢は小説家だったんだ、だけど他人に書いたものを見せるのが恥ずかしくてなるのをあきらめちゃった」
佐伯にそう言われ松浦はこう思った。
(へえ、佐伯さんが小説家を目指していたのか、初めて知った)
そして松浦はひらめいた。
(佐伯さんに夢であった小説家になることを目標にすれば強く生きたいと思うかも……)
「佐伯さんの書いた小説見てみたいな、書いてみてよ」
「いや恥ずかしいからちょっとな……」
佐伯は困った表情をしたが松浦が「どうしても見たい」と強くお願いするとこう言った。
「まあそこまでお願いするならいいよ、それに暇だしね」
次の日、病室に来ると佐伯はスマホで書いた短編小説を書き終わっていた。
さっそく松浦はその小説を読んでいると佐伯は恥ずかしくて下を向いていた。
数十分後、読み終わり佐伯にこう言った。
「心理描写がうまく書けていておもしろいよ」
「そう、ありがとう」
松浦は本当に佐伯が書いた小説がおもしろいと思ったのだ。
(これはマジで小説家の才能があると思うな)
そして佐伯にある提案する。
「この小説さ、ネットに投稿してみようよ」
佐伯は数分を迷った末、松浦がおもしろいと言ってくれたのもあって思い切って投稿した。
そして次の日、病室で松浦と佐伯は小説を投稿したサイトを観てみるとたくさんの閲覧数とコメントが付いており好評だったのだ。
それで佐伯にまたある提案する。
「佐伯さん、小説家を目指してみたら、絶対才能あると思うよ」
だが佐伯はあまり乗る気ではなかった。
「私はまだおもしろい小説を書く自信が無い」
「でもネットに上げた小説が高評価だったじゃん、佐伯さんならおもしろい小説書けるよ」
「それに小説家になることが夢だったんでしょ、絶対目指した方がいいって!」
松浦はそう佐伯に強く訴えると考えとくと言いその日に決断はしなかった。
それから松浦は病院からの帰り道、こう思っていた。
(小説家を目指すように促したけど佐伯さんは目指す気になるかな)
冬の厳しい寒さの中、そのことが気になりながらとぼとぼ帰っていった。
一週間後、病室にいた松浦は佐伯が突然こう言ってきた。
「私、小説の賞に受かったら小説家を目指そうかな」
松浦はいきなり言ってきたので驚くと同時にガッツポーズをしてこう思った。
(これで賞でも取って自信がつけば夢である小説家になるという目標ができて強く生きたいと思える理由になるかもな)
それから佐伯は賞に送る小説を執筆し出し松浦が来る日も来る日も夢中になってやっていてそんな姿を見ていた松浦はこう言った。
「よくスマホで小説書けるよね。パソコンの方がやりやすくない?」
「いや私、ローマ字打てないから」
松浦はその返答に驚いた。
(ローマ字打てない人いるんだ……)
その後、佐伯が夢中になりながら執筆を続けていたが日付を過ぎていくにつれ容態が悪くなっていき小説が書けない日も増えてきた。
(タイムリミットが近づいてきているな)
日に日に佐伯が痩せ細っていき死期が近づいていることがわかった。
ある日、松浦と佐伯は病室で会話をしていた突然、佐伯の容態が急激に悪くなり松浦はすぐに医師を呼んで容態を見てもらうとこう言われた。
「佐伯楓さんは危篤状態ですね」
「そんな……」
松浦はショックのあまり足が崩れた。
佐伯に秘薬を飲ませ強く生きたい思わせることができそうな状況だったが危篤状態になりもう小説を完成させることは困難だと思った。
それから次の日の朝方に佐伯は楓の父親や友達、そして松浦に見守れながら帰らぬ人となった。
病院の帰り道一人で帰っているとあの人物に声をかけられる。
「佐伯楓を助けられなかったな」
「三回目はいい所までいったんじゃがな」
神様がそう松浦に話しかけるがショックのあまり言葉を返すことができなかったが次のある神様の言葉に飛びつく。
「過去に戻りやり直しができるのは三回までじゃが特別にもう一回チャンスをやろう」
「それは本当か?神様」
顔近づけながらそう言うと難しい顔をしながら神様はこう言った。
「じゃが条件があってな、大きな代償を払わなければいけないじゃが……」
「俺はどんな条件でも大丈夫、佐伯さんを救えれば」
神様はその条件を松浦に話すと迷うことなくその条件をのみ、もう一回だけチャンスをくれることになった。
「泣いても笑ってもこれが最後じゃ」
「それじゃあ行くぞ、やり直し開始じゃ」
そして二人は過去にまた戻っていった。