中学1年生の頃から兄が通っていた高校の兄と同じコースに入りたいと思っていた。そのコースで部活と勉強を頑張りたい。そう思って、中学2年の冬から集団指導塾に通い始めた。中学3年の11月。私立高校の受験校決定の時期が来た。ある日、
「めいちゃん。おいで」
担任に呼ばれて、廊下にでた。このあと悔しさのどん底に落とされることも知らずに。
「めいちゃん。あなたが希望しているこのコース厳しいね。考え直しを奨めるよ。」
そう言われた。もちろん私は
「なんでですか?」
と反抗した。
だって、前まで大丈夫と言われていたから。
「学力でなんとかなりませんか?」
そう言っても無駄だった。
「私立高校は成績重視だから。」
そう突っぱねられた。
「このコースじゃないと看護大学行けないんです!」
そう言ってもだめだった。
「大学じゃなきゃだめなの?」
そう言われた。何度も何度も反抗をした。だけど、ダメだった。
「とにかく、無理なものは無理」
そう言われた。私は悔しさを滲ませながら
「わかりました、同じ高校の1番下のコース受けます。」
そう言った。塾の先生が違う高校を勧めてくれた。だけど、断った。それから、受験が終わるまで怒涛の日々を送った。合格発表は素直に喜べなかった。むしろ、悔しさのほうが大きかった。4月になり、高校へ入学した。でも、友達が一人もできなかった。クラスの人のテンション、勉強や進路に対する考えが合わなかったから。
本当は自分が今、通っているコースで部活なんかやらずに勉強に励もうと思っていた。でも、母がそれを許さなかった。
「地元の看護専門学校の指定校推薦獲得のために入いりなさい。」
そう言われた。
私は、嫌々ながらも中学から続けていた吹奏楽部に入った。でも本当は部活なんかやりたくなかった。吹奏楽部で活動する日々なんか楽しくなかった。音楽系や教育系を希望している人が多い中での看護系希望だったから肩身が狭かった。でも、勉強だけは誰にも負けたくなくて必死に取り組んだ。不思議と塾のおかげか楽しんで勉強だけはできた。でも、そんな日々に私は満足していても、心が苦しんで休みたがっていたのかもしれない。それに気づいたのは高校1年生の12月頃だった。自分の耳に閉塞感が生まれているのに気がついた。数日しても治らなかったから、母親に言って耳鼻科へ行った。
「突発性難聴」
それが耳の閉塞感の原因だった。その日から部活にあまり行くことができなくなった。そして冬休み前のある日。通知表が配布された。1学期もクラス1位だったから、キープしなくてはと思った。結果は2学期連続のクラス1位だった。
でも本当にやりたかったことはこんな事じゃないとおもった。優等生の貼り紙をされて、ただ推薦のために頑張るだけの日々を送りたかったわけじゃない。すべての始まりは中学3年の11月だ。あの日から全てが狂った。
本当は友達と会って遊んだり、出かけたりするのが好きだった。でも、勉強と部活に追われている。
本当は吹奏楽部なんて辞めたい。だって音楽なんて興味ないから。でも、入れる部活なんてなかった。運動ができない私にとって入れる部活は吹奏楽部だけだった。学校のクラスに一人でもいいから一緒に行動をともにしてくれる人が欲しかった。だって中学のときはいてくれたから。でも、そんな日々はなくて、想像とは違っていた。それでも、見えてきたものがあった。
中々会うことのできない親友と会えるとなったときの嬉しさ。音楽が嫌いでも吹奏楽部をやり続けて大会の結果が内申書に書かれる達成感。仲良く、一緒に行動をともにしてくれる人の大切さ。他にも色んな事が見えた。
だから伝えたい事がある。
私は夢に向って走るために中学2年の冬から努力を、始めた。虚しくもその努力は私を裏切った。
「努力は裏切らない」
この言葉は今の私のためじゃない。成功した人、夢を叶えられた人だけに向けた言葉だ。
もし、これを読んでいる人がやりたい事ができていなかったり、自分が想像していた未来と現実が違って私のように苦しんで、毎日頑張っているのなら、自分がそう思うきっかけになった出来事を体験したときに生まれた、苦しみ、葛藤、悔しさなどのマイナスな想いをどうか忘れずにいてほしい。それをバネにその想いと出来事に関わった人たち全員を見返す気持ちで歩んでほしい。
今、私は看護師になりたいと思っている。小さい頃、人を笑顔にしたいと思った自分の想いを無駄にしないように人を笑顔にできて患者さんやそのご家族にも寄り添える看護師になりたい。今は結果が散々でもそれまで残してきたものがある。あなたの努力の跡が。だから、夢を笑われても、バカにされても、何をされても夢が叶うまで見失わないでほしい。空回りばかりでも、未完成な夢の地図を広げてその地図に日々の努力のあとを自ら記して言ってほしい。
「一緒に頑張ろう」
その一言があればどれだけ救われるだろうか。その言葉がほしいが為に頑張るのは違う。私が頑張る理由は夢を叶えたいから、小さい頃願った人を笑顔にするという想いを無駄にしたくないから。
「絶対」なんて言葉は通用しなくても、「頑張ろう」という言葉は誰にでも通用すると思う。そして「大丈夫」この一言も。諦めなければなんにでもなれると思う。
一人一人が広げた、夢の地図に日々の努力と出来事を記していこう。そして、夢がかなった暁にはその夢の地図を見返してみよう。自分がそれまでにした、努力や日々の生活が残っているだろうから。
私は今日も夢に向って懸命に歩いている。どんな現実を突き付けられようともまっすぐ、一生懸命に。 
貴方が描いた夢の地図はカッコイイ。自分の人生の道をゆっくりと自分のペースで無理せず一緒に歩いていこう。一生懸命歩いているあなたはかっこいい。
いつか、自分に100点をあげられたらそれが人生という解答用紙に書いた正しい答え。それはあなたしかかけないしつけられない。今からがスタートだ。
頑張ろう。