そう言われればそれまでだけど。

「まだアイツの事、気にしてんのかよ。お前ら」
「稔だってこの前同じことしたくせに」
「うるさい可憐」
「寂しいよねぇ。疾風がいないの。でも、あたしたちじゃ何にもできないんだよねぇ」
「可憐ちゃん……」

 そう。私たちは無力だ。
 ただの保健室登校の子供でしかない。
 
 先生にだって頼れない。
 だって、教室に戻る方が正義だもん。
 連れ戻すなんか最低の行為だ。
 してはいけない。だけれど。

「寂しいよぉ、私。疾風に会いたいよぉ」

 泣きそうな声で思わず私は言った。

「明日花ちゃん……」
「なんで教室へ行けないの? 私。どうして疾風に会いに保健室から出ていけないの? なんで?」

 自問自答しながら私はしゃがみ込む。
 つらい。

 疾風に会いたくて、苦しい。