どうしてあの時、声をかけてしまったのだろうか。自分で反省する。でも、彼女の華奢な背中を見たら声をかけずにはいられなかった。心の奥で、本当は寂しいだなんて考えてしまう自分につくづく嫌気が差す。本当はあの時も思っていたのだろうか。
  あの日は九月半ばの雨の日だった。あの日、私はクラスの子のシャープペンシルを奪ったと言われ、クラス全員に詰め寄られていた。どうして?私はやっていない!という悲鳴に近い叫び声を私は上げた。私はやっていないよね?のばら?と私は尋ねた。もちろん私は微塵も疑っていなかったと思う。数秒先の未来のことを。でも、のばらは言った。
「向日葵がやった。」と。頭をガツンと殴られたような気がした。のばら?と私が何度呼びかけてものばらが私に答えてくれることはなかった。そのことは思った以上に私の心に傷を残した。その日から、クラス全員に無視され、悪口を言われ、挙句の果て「生まれてこなければよかったのに。」と言われた。そして、今に至るという訳だ。まあ、のばらは、クラスの人に囲まれて怖かったのだろう。身を挺してまで私を守る必要はない。所詮他人だ。