なんやかんやあって私たちの桜鳳高校は、甲子園の出場切符を掴んだ。桜鳳高校は甲子園の常連なので別に驚きはしないけれど、甲子園への出場をかけた長野県での戦いは圧巻だった。隼人くんのおかげだと思う。彼は圧倒的に強い。びっくりするほどに。そして、私達吹奏楽部もラストスパートをかけていく。向日葵は、トランペット奏者だ。彼女のトランペットはとても上手だ。彼女のような人を転載と呼ぶのだろう。そして、向日葵はソロパートを与えられていた。私は向日葵の横でチューニングを始める。
   それから、桜鳳高校はどんどん勝ち進めていった。そして迎えた甲子園準決勝。相手はライバルである高校だ。六華高校だ。前回の甲子園も六華高校にあたり、敗北してしまった。頑張って欲しい。当日の戦いは火蓋を切られた。そして六回の表、点差は開いている。桜鳳高校は3点、六華高校は7点だ。差は開いている。もうだめかもしれない。そんなとき隣で青空を切り裂くようなメロディが