昨日は、黒瀬くんが家に泊まりに来た。黒瀬くんのきれい顔に痣が着いており、唇が切れていた。それを見たら止まれなくて、彼は普通のいつも通りのクールな顔つきだったけれど、初恋の男の子みたいで今にも彼が泣きそうで、思わず家に誘ってしまった。案外、黒瀬くんは、蒼くんとも気があったみたいだ。朝、のばらが私の家に迎えに来た。「おはよ。向日葵!」「おはよう。のばら。」とお決まりのやり取りをする普通の挨拶だけど、些細な挨拶が出来ているという事実が嬉しかった。のばらは、放課後公園で少し話さない?と私に聞いた。良く分からないけれど頷いておいた。迎えた放課後、公園に着いた途端のばらは勢いよく頭を下げた。「ごめん!」何に対して謝られているのか分からず、のばらに問いかけると、大きく息を吸ったのばらは「あの人のこと。ごめん。向日葵が辛かった時、自分がいじめられたりするのが嫌で、向日葵に起きていることについて親身になってあげられなかった。」とのばらは言った。私は、首を横に降ると「ううん。のばらは悪くないよ。あの人はだってもう居ないじゃない。もう交通事故で亡くなった。今こうしてのばらと喋れていること、それが私の幸せだよ。」と私は返した。のばらは良かった。。と体から力が抜けたようにベンチに座り込んだ。のばらは少しいたずらに笑うと、私に「向日葵ってさ?隼人くんのこと好きなの?」と聞いた。「隼人くん?」隼人と言う名前に聞き覚えがあって尋ね返すと、「黒瀬隼人くんだよ。」とのばらは笑った。のばらは笑っていたけれど、私の心臓はドクドクと脈打っていた。隼人、隼人と言う名前は、私が小さい頃に野球ボールをくれた男の子の名前だ。嘘だ。心の中で否定し続けたけれど、今までの彼のことが気になっていた理由にしっかりボヤけず、色が着いてくる。嗚呼ー。彼が私の初恋の少年なのだろう。それから、
私は、彼のことが 好きだーー。
私は、彼のことが 好きだーー。