西条くんには任せて、だなんて張り切って言ってしまったが帰ってから私は大きな問題に直面していることに気がついた。
「パソコン、持ってないじゃん……」
最近はスマホのアプリなんかでも作れるらしいが西条くんも私もアプリには詳しくなく、ならパソコンでやった方がいいのではという話にまとまった。
が、よくよく考えれば私は自分のパソコンを持っていない。
となると誰かのを借りるしかない訳だがお父さんやお母さんのパソコンを借りれるはずもなく、お姉ちゃんは快く貸してくれそうではあるがお姉ちゃんのパソコンを借りている所を見られたらお母さんに何か言われそうで怖い。
どうしようかと悩んでいた時、意外にもチャンスはすぐに回ってきた。
「じゃあ、ちょっと家空けるけどちゃんと勉強しておきなさいよ」
親戚の法事とやらでお父さんとお母さんが家を空けることになった。
こんなチャンスはもう二度とない。
二人を見送ると急いでお姉ちゃんの部屋へと駆ける。
「お姉ちゃん」
トントンとノックすれば「はぁい」と間伸びした返事が部屋の中から聞こえしばらくして扉が開いた。
「どうした?」
まだ寝起きなのかボサボサの頭を掻いている。
「あのさパソコン、借りてもいい?」
「いいけど。……どうした?」
そう聞かれ私は西条くんと過ごしたこの数週間の話をした。
私が話し終えるとお姉ちゃんは目を丸くしながら言う。
「いつの間にかすごい話進んでるじゃん」
「今日しかチャンスないと思って、パソコン借りに来た」
「お母さんが長時間いないの珍しいもんね。どうぞどうぞ、勝手に使って」
事前にネットで調べておいたソフトと事前にネットで調べていた知識を使い何とか仕上げていく。
一時間ほど経った時だった。
私は大きな問題に直面していた。
「あれー……?」
西条くんと決めたいくつかのフォントの中の一つがない。
何度も上から下まで探しているとベッドに横たわっていたお姉ちゃんが立ち上がり画面と紙を覗き込む。
「あー、このフォントはこれじゃちょっと無理じゃない?」
「え?」
「多分別のソフトで課金とかしないと厳しいと思うよ」
あまり調べず下書きを作ってしまったが普通ではない特殊なフォントだったらしい。
「それってお金払えば出来るってことだよね?」
「うん。だけどこのパソコンさ、課金するってなるとお父さんのクレジットカードに請求行くはずだから何で課金するのか説明しなきゃになるよ」
「それは……。無理、だね」
「うん、無理」
きっぱりと言うお姉ちゃんに私は苦笑いをする。けれど実際問題無理だ。説明するにはまず真夜中に家を抜け出していることから説明しなくてはならない。そんなことを言ったらもう二度と真夜中の散歩は出来なくなるだろう。
と、考えると。
「まあ、これで出来る範囲でやるしかないんじゃない?」
「そう、だね……」
私は肩を落としながら代わりになりそうなフォントを探し始めた。
「パソコン、持ってないじゃん……」
最近はスマホのアプリなんかでも作れるらしいが西条くんも私もアプリには詳しくなく、ならパソコンでやった方がいいのではという話にまとまった。
が、よくよく考えれば私は自分のパソコンを持っていない。
となると誰かのを借りるしかない訳だがお父さんやお母さんのパソコンを借りれるはずもなく、お姉ちゃんは快く貸してくれそうではあるがお姉ちゃんのパソコンを借りている所を見られたらお母さんに何か言われそうで怖い。
どうしようかと悩んでいた時、意外にもチャンスはすぐに回ってきた。
「じゃあ、ちょっと家空けるけどちゃんと勉強しておきなさいよ」
親戚の法事とやらでお父さんとお母さんが家を空けることになった。
こんなチャンスはもう二度とない。
二人を見送ると急いでお姉ちゃんの部屋へと駆ける。
「お姉ちゃん」
トントンとノックすれば「はぁい」と間伸びした返事が部屋の中から聞こえしばらくして扉が開いた。
「どうした?」
まだ寝起きなのかボサボサの頭を掻いている。
「あのさパソコン、借りてもいい?」
「いいけど。……どうした?」
そう聞かれ私は西条くんと過ごしたこの数週間の話をした。
私が話し終えるとお姉ちゃんは目を丸くしながら言う。
「いつの間にかすごい話進んでるじゃん」
「今日しかチャンスないと思って、パソコン借りに来た」
「お母さんが長時間いないの珍しいもんね。どうぞどうぞ、勝手に使って」
事前にネットで調べておいたソフトと事前にネットで調べていた知識を使い何とか仕上げていく。
一時間ほど経った時だった。
私は大きな問題に直面していた。
「あれー……?」
西条くんと決めたいくつかのフォントの中の一つがない。
何度も上から下まで探しているとベッドに横たわっていたお姉ちゃんが立ち上がり画面と紙を覗き込む。
「あー、このフォントはこれじゃちょっと無理じゃない?」
「え?」
「多分別のソフトで課金とかしないと厳しいと思うよ」
あまり調べず下書きを作ってしまったが普通ではない特殊なフォントだったらしい。
「それってお金払えば出来るってことだよね?」
「うん。だけどこのパソコンさ、課金するってなるとお父さんのクレジットカードに請求行くはずだから何で課金するのか説明しなきゃになるよ」
「それは……。無理、だね」
「うん、無理」
きっぱりと言うお姉ちゃんに私は苦笑いをする。けれど実際問題無理だ。説明するにはまず真夜中に家を抜け出していることから説明しなくてはならない。そんなことを言ったらもう二度と真夜中の散歩は出来なくなるだろう。
と、考えると。
「まあ、これで出来る範囲でやるしかないんじゃない?」
「そう、だね……」
私は肩を落としながら代わりになりそうなフォントを探し始めた。